戦国BL

□tuyokuyowakimono
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「あ・・・」
雄の精を身体の奥で受け止め、反射的に身の内を締めると、白濁が繋がりの隙間から沸き出し零れた。
「次、代われ」
殆ど無言の男達がアンジの足の間から出て入れ替わると、初めの抵抗が嘘のようにアンジは次の男を受け入れた。
男のモノがアンジの腹の中で体積を増していく。
「よく湿ってやがる!」
「ンッ・・・!」
男が激しく動けば動く程、白濁が股を伝い落ちていった。
坊主達は代わる代わるアンジに覆いかぶさると、1も2も無く挿入し、夢中で腰を降り続けた。
アンジは全身から力を抜き、この時間が早く過ぎるのを目を瞑って待っていた。


もう・・2回ずつ終わった・・?
まだ気持ちがいい内に終わって欲しい。
そうすれば・・僕は被害者じゃない。
僕も自分から楽しんだと思えばいい。
シたかったから丁度良かったと思えばいい。
だけど・・気持ち良くなくなったら・・っ
僕はただ犯されただけになってしまう。
痛みと恐怖でセックスが怖くなってしまう!!


早く出し切れ・・!!
クソ坊主ども・・!!


「おい!!」
パッと部屋の中が明るくなって、坊主達がアンジの身体から離れると逃げ出して行く。
「待て!!テメエ!!」
人が走り出す足音がいくつも聞こえた後、部屋の中はすぐ静かになった。
アンジは瞬時には動けなかった。
長い時間大きく開かされた股はシビレて、うまく動かすことが出来なかった。
ゆっくりと身体を起こし、自分の身体を見ると一度も触れられる事のなかった自分の屹立の蜜口からは白い涎が糸を引いて垂れている。
目眩がしそうな頭で、それを握りしめ、擦り上げる。
数回擦り上げるとソレは手の内で微かに奮えあっけなく果てた。
そしてやっと。
今度こそ、アンジは本当に力尽き、床の上に身体を横たえた。
アンジの散々犯された尻穴からは坊主達の放った白濁が溢れ出ていた。


「アンちゃん、アンちゃん」

そのどこかで聞いた呼び方に目を開けると、目の前には昨夜の顔見知りの顔があった。
「誰・・?」
「蒼井。アンちゃん。どこか痛くない?大丈夫?」
体は布団の上に移されていたが、ゆっくりと起こした体は裸のままだった。
すっかり感覚が麻痺して、蒼井の前だというのに、自分の股を開いて手を伸ばすと、ついさっきまで犯されていた証拠がそこにあった。
指先に付いた残滓を見て、アンジは、笑ってしまった。
「夢かと思った・・。ホント、夢で・・」
あって欲しかった。
乾いた笑いが出た後、涙が零れてしまう。
胡坐をかきポロポロと涙を零すアンジの姿をすぐ側で見ていた蒼井は、その姿にただ見惚れていた。
切れ長の目から涙が溢れると目尻から一筋二筋と、その頬を流れ落ちていく。
その涙をアンジはサッと手の甲で拭うと、蒼井の方へ顔を向けた。
赤い目でアンジに見つめられた蒼井は少し怯んだが、アンジの口元は柔らかく動いた。
「蒼井さん。来てくれてありがと・・」
「アンちゃん・・」
その気丈さ。
理不尽に踏みつけにされ、心身ともに傷つけられた人間から発せられる言葉では無かった。
「オレは・・今年27になる。アンちゃんから見たらオッサンだ。しかも毎日毎日体を鍛える事しか出来ない体力バカで・・」
アンジは黙って、少し俯き加減で話す蒼井の顔を見つめていた。
蒼井は言葉を切ると、顔を上げてアンジの目を見つめ返し、彼は考え込んだが、短く息を吐き出すと口元を引き上げた。

「ね?アンちゃん。オレと・・・鞍馬を出よう。ね?一緒にここを出ようか?」
一瞬、その言葉の意味がアンジの頭に入って来なかった。
聞こえているのに、理解が出来ず、ただ蒼井の顔を見つめてしまう。
「オレのやりたい事、もうここに無いんだ。アンちゃん、オレに付き合って下山するってのはどう?」
アンジは口を開けたまま、数秒固まったまま蒼井の顔を見ていた。
『鞍馬を出よう』
その言葉は、アンジがどれ程欲していた言葉か。
どれ程、願っても叶わないと諦めていた事か。


もう、ここには居られない。
アンジにとって鞍馬は危険でしか無かった。




その夜。
アンジは立つのもやっとの体を起こし、蒼井が来るのを待っていた。
ここに居たら、アンジは今日のように、鷹峰の目を掻い潜った坊主達に強姦され続ける。
だが、そんな事を鷹峰に心配させたくなかった。


この事に鷹峰が気づいたら、鷹峰は味方を切り捨て、自分一人のために全員を敵に回してしまうかも知れない。
鷹峰はこの鞍馬にとって必要な人間だ。
鞍馬を離れる事は絶対に無理だ。
自分のせいで、そうなっては絶対ダメだ。


アンジは静かに部屋の中で座していた。


どの位いそうしていたか。
真っ暗闇の中、蒼井が部屋の外からアンジに声を掛けた。
「アンちゃん」
その声に、アンジは深呼吸をしてから答えた。
「はい」
部屋の外でアンジを迎えた蒼井は、濃紺の出で立ちで、アンジに同じように濃紺の羽織を頭から被せると、軽々とアンジを抱き上げた。
それから塀と家の壁を二段蹴りし、塀の上に飛び乗るとすぐに、塀の向こう側へと飛び降りた。
「行くよ」
囁きに、アンジは頷いた。


さよなら。
鷹峰。
バカだけど、豪快で、真っすぐで、だいすきだった。
大好きになってた。


目を閉じて、アンジは蒼井の首にぎゅっと抱きつく。
その体を蒼井もぎゅっと抱き締めた。
そして、アンジという宝を抱いて、蒼井は山道を駆け下りた。


その早さは。
鷹峰にも、彩瀬にも劣らなかった。
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