戦国BL

□matiwabi
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部屋で何もすることなく、天井を見上げて寝っころがっていると、
「アンジ様、 信州の鷹峰様が面会にいらしております。こちらにお呼びしてよろしいでしょうか?」
僕のお供に選ばれた遠野が襖越しに僕に声を掛けた。
とりあえず、起き上がり襖を開けて顔を出す。
「・・誰なの?」
「あ!」
開けてビックリ!
遠野の後ろには既に客人らしい男が立っていた・・!

お呼びもなにもここまで来てるじゃん!!

遠野もまさか僕が顔を出すと思ってなかったのか苦笑いしている。
遠野は吊り目の野球少年のような健康そうな日焼け顔にポニーテールの少年だ。
歳は14で、僕達は少しずつお互いの家の話をした。
遠野には4人の妹がいること。
すでに2人の妹が嫁に行ったこと。
カルチャーショック。

「こちらは鷹峰様です。鷹峰様、我が主の・・お小性、アンジ様です」
一瞬の遠野の躊躇の後の台詞に、僕の目の前に来た男が噴き出す。
「お小性か!こりゃいい。あいつにそんな趣味があったなんてね〜」
男は上下濃紺の作務衣に坊主頭。
この時代に珍しい長身で、顔立ちもすっきりしている。
派手さはないが整っていると言っていい顔だ。
「アンジ、俺は天上山の鞍馬寺の坊主だ。アキヒサとは幼少の頃からの友でな。
ここに俺が来たのは他でも無いアキヒサの頼みでだ」
鷹峰が自分の目の前にあぐらをかいた。
「アキヒサ・・様の?」
鷹峰が頷く。
「お前も知ってると思うが、先の合戦で、アキヒサは腕に傷を負い、床に伏せておる」
「うそ!?マジで!?」
僕の驚きに、鷹峰が顔を固くして、一度咳払いしてからまた口を開いた。
「幸い命に別状無く、傷が癒えるのを待つのみだが、お前を迎えに来ることが叶わずに帰城したことをいたく後悔している」
僕はそんなこと全然知らなかったけど、でもアキヒサが生きてる情報には涙が込み上げる程嬉しかった。
「良かった・・生きてるんだ・・良かったぁ」
鼻をすする僕の様子を鷹峰は黙って見ていた。
お茶を持って来た遠野が、胸から出した手拭いを僕に差し出した。
遠野を見るとにっこりと笑っている。
きっと遠野もアキヒサの無事が嬉しいんだ。
僕も笑みを返して、手拭いを貰い顔を拭いた。
「なるほどね・・」
鷹峰がなにかを納得している。
「誰にも言わないはずだな。こんなオンナがいるなんて」
「え!」
思わず、顔を赤くしてしまう。
オンナと言われて思い当たらないワケじゃ無い。
いや、ソレと言われても当たり前だとは、一応わかっている。
「別嬪だ。素直だ。一途だ。こりゃたまらねえな」
鷹峰が腕を組んで僕を睨む。
「男にとっちゃ、最悪だ。煩悩そのものだ」
それから、立ち上がると、僕の腕を掴んだ。
「アキヒサからお前を暫く預かるように言われている。だが、そんな頼みとは別に、お前は俺の寺にいるべきだと今、理解した」
腕を引かれて、正座が崩れた。
着物から膝が出る。
鷹峰が僕の膝の間に足を入れた。
「なにす・・っ」
「男を惑わす男か・・。男だからこそやっかいな・・」
「何をなさいます!アンジ様から離れてくださいっ」
遠野が鷹峰の腕を抑えた。
あ。
と、思った瞬間。
遠野の顔面に鷹峰が頭突きした。
遠野が膝からガックリと崩れると、倒れたまま動かなくなる。
「遠野!」
鷹峰が今度は僕の襟を剥いだ。
袖から腕が抜けないまま肌を晒される。
下半身も同時に大きく広げさせられて、鷹峰の手が直に僕の尻に触った。
大きい手だった。
尻たぶを一掴みにされ、明るい日の下で丸出しにされてしまう。
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