戦国BL

□matiwabi
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コーラが飲みたい。

あの激甘な刺激物をゴクゴク飲みたい。
ついでに、のり塩のポテチも。
いつもみたいにジ○ンプ読みながら、食べて飲んで、ネトゲして、掲示板見て・・。

手を伸ばせば手に入る、そんな日常。


それで?
眼を開けたらまだ部屋の中は真っ暗だった。

真っ暗なんて・・・嘘みたいだった。
この世界では、月の無い夜は真の闇になる。
人気のない闇はちょっとした恐怖だ。
それは、喉が乾いてても部屋の外へ出ようなんて気にならないくらいに、十分な恐怖がある。

「コーラだって・・・笑っちゃうよ」

この世界にコ○コーラなんて有るわけない!
何度、寝ても覚めても・・今の現実が本当の現実なんだから!

「アンジ?」
隣には一回り身体の違う男。
「どうした?」
すぐ横に顔があって、吐息が触れる。
手が僕の身体を探って、肩を抱いて、首筋から髪を梳かれた。
「アキヒサ・・」
唇が重なる。
僕は誰かとこんなにくっついたりしたことなんて無い。
まして、舌を入れられたり、穴を犯されたりなんて・・そんなことが自分の身に起こるなんて思いもしなかった。(なんせヒッキーだったし)
僕の両手を開いて、アキヒサが馬乗りになる。
「また・・するの?」
「イヤか?」
否なんて言えるわけない。
っていうか、言うわけないってアキヒサは思ってると思う。(武将だし・・)
だってヤる気まんまんで触ってるし・・。

セックスは、気持ちがイイ。
これが例え自分が女役で例え相手が男でも、だ。

抱かれながら息が上がる。
呼吸が乱れて苦しい。
苦しいけど、キモチイー。
僕の喉に噛み付いて、アキヒサが這入ってくる。
その瞬間、背筋が下から上へ一瞬で泡立つ。
僕はアキヒサの背中に爪を立てて、必死に追いつこうとしがみついた。
「アンジは肺が弱いな・・ゆっくり吸え」
僕の呼吸が落ち着くのを待って、アキヒサが動き出す。
「いいか、私の呼吸と合わせろ」
密着した胸から呼吸のリズムを教えられる。
そこからは。
ただ僕は快感に打ちのめされるだけ。

言葉より、表情より、人間の究極のコミュニケーションがコレだったら、たぶん未来のやり方は退化してる。
握った掌の熱さ。
全身全霊で向かい合い 、自分の全てを相手に曝け出し、それを受け入れさせる強さ。
こんなに真っすぐに自分に向かってくる感情を知らなかった。
こんなにも欲しいっていう独占欲。


そういうものをずっと失くしてた気がする。


だから?
だから、受け入れてる?
優しいから?
強いから?

わからない。
ただ、惹かれる。
それが魂の強さなのか。
自信に満ち溢れたこの男にひたすらにアコガレた。
傍にいて、知って、好きだと感じた。
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