blunder-mark.

□俊敏と鈍さ。
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薬学室でポッターVSスネイプが有名だった。
だが、スリザリンの姫もまた問題があった。

色白でブロンドはグレンジャーが羨むぐらい。
綺麗な肌はグリーンとブラックの制服から見えかくれするのは多少なりとも妖艶に感じた。
キラリと光る瞳はエメラルドグリーンに近いゴールド。

ドラコが厭味で"お姫様"と言ったのがきっかけでスリザリンの姫と言われていた。





その姫が今日も暴走している。




ドラコはポッターを睨みつけていた。


ポッターは千代を見て息を飲んでいた。



彼女は寮差別をしない珍しい生徒だった。
勿論、スリザリンを誇りに思ってはいるが、特別視はしていなかった。




それで今。




「可笑しいって言ってるの!解らない!?先生まるでポッターばかり寵愛しているように私には見えます!!!」


「Ms.神村!?貴女どうかしてるわ!何処から見てハリーが寵愛されているというのよ」


「Ms.グレンジャー。無関心程の嫌悪は無いですよ?利口であるなら有るほど無関心に淡々と波風たてず過ごします。それがどうですか?先生はわざわざMr.ポッターに食ってかかる。寵愛でしょう、厭味を抜かせば貴方はMr.ポッターに特別授業をしているも同然。違いますかね。」


「っ寵愛が嫌がらせ?まるで子供じゃない」

「えぇ、そうですもんね。スネイプ先生。貴方は厭らしくずるい。不当な減点です。寵愛ではないと言うのなら公平な私が納得する理由をお教え願います。スネイプ先生」

「何故我輩がお前に理由を述べねばならん。そして、何故我輩がポッターを寵愛している。」


「そんなの知りませんし、興味もありません。事実ですから。貴方が寵愛しているのは。」


「Ms.神村は誤解をなさっているようだ。Mr.ポッターを寵愛?擁護するメリットは我輩には皆無、いや寧ろデメリットと念頭に置いての意見というわけかね?スリザリンのプリンセス」


ねちっこい言い方に眉間を寄せる千代。



「えぇ、以前から考えていました。貴方は随分とタイミングが良く、他寮であるMr.ポッターを見て観察し先回りをする癖があるようですしねぇ。偶然等この世に無い、貴方が自ら…「神村、そこまで言うのなら取り消そう。だが、減点をスリザリンに、そして君にはMr.ポッターの受ける筈だった処罰を受けたい、と?そう言う意味ですな」





いつもなら反論をする彼女だが、額を抑え。眉間を揉む。
ブロンドがふわりと浮かぶ。



すとんとドラコの隣に座る。


「…はい。解りました…」


「……良かろう」



ハリーの前から羊皮紙の束を千代の前に移す。千代はそれを紐で縛る。
ドラコが彼女を見て気づく。




「お前」
「黙れデコ。本気でアンタの髪の毛毟り散らすわよ。私今イライラしてるの」
「……勝手にしろ」
「は?してるわよ」
「今日は早く寝ろ」
「寝れると思う?」


パンパンと白紙の羊皮紙を叩く。額を抑えたのはドラコだった。
千代は相変わらず瞬きをせず授業を受ける。





「気に入らない」



彼女の口癖だった。
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