blunder-mark.
□ハロウィン〜if〜
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ベッドで唸る彼女を見下ろすと千代は見上げ睨む。
「リーマスとポッターが探していたぞ、それとドラコと双子があと、伯爵がな」
「…私、セブと違ってモテモテだから…ったたた」
腰を下ろすと千代はセブルスの腰に抱き着き太股を叩く。
「酷いわ…」
「お前の腰がか?それとも―…「言わなくて良い」
くくっと笑いながら千代の頭を撫でる。むくれる千代を見て頬を抓る。
「俺を出さないようにお前が乗っかるからだろう?愚策だったがな」
「っ…まさかバレてるなんて」
「お前が毎年我輩をハロウィンに疎むのは知っているからな。やけに大人しいければ誰だって疑うだろう。それにしても我輩は有意義だった、実に」
「もーっ…貴方には何でもバレちゃうのね…」
膝にだらりと寝そべる。
ブロンドの髪の毛を愛でるように撫で、指で梳く。
ボンヤリしながら千代は呟く。
「あー…ねぇ、セブ。あれ、あれ言ってよ、あれ」
「愛して「違う!いや、違わないけど、今は違うの」
今日に因んだやつ。
と言うと眉間を寄せ重々しく言う。
「Trickor…「はい、はーい」
ぼんやり言う。
「あるよ。」
「……」
「あるよ、私持ってるよ。あげる。貰ってだってアレを言ったら責任あるものね」
「……お前はさっきから何を言っているんだ?」
千代はごろりと転がり、起き上がる。
「鈍い人にはお仕置きするよ?」
「ちょっと待て」
「私、四ヶ月待ったわ。だからハロウィン楽しみにしていたのに…」
「千代…?」
「はい」
沈黙。
千代はしばらく黙り。
セブルスは脳内フル回転。
「鈍い人にはお仕置き「出来たのか」
頷く千代。
セブルスは立ち上がり千代を見て背向きロッカーに向かい合い頭を二、三打ち付け、本当か?と聞き頷く千代を見て、ポケットから懐中時計を取り出しなにかをぶつぶつ言う。
「本当か?」
「本当」
千代はごくりと唾を飲む。
セブルスは傍に来て千代を抱き上げる。
「ありがとう…千代…」
「ちょ、ちょっと」
「すまない…だが…」
君の旦那に、君が親にしてくれて。
君の隣に居る理由を絶やさずくれてありがとう。
そう言うセブルスにくすぐったくて嬉しくて涙が溢れた。
(悪戯エンジェル)