blunder-mark.

□俊敏と鈍さ。
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勉強依存症のようだったとドラコが言う。テスト前には一ヶ月前から毎日徹夜。

兄姉からの嫌がらせは日頃からあったらしい。


すやすや安定剤を飲み眠る神村。



ダンブルドア曰く彼女は才能があったと。
確かにそうだろう。
ハリーポッターと肩を並べるに違いない。


そっと髪の毛を避けると首に呪いのかかった石が埋め込まれていた。




ゆっくり目を開ける千代。





「せ、んせ…どう、して」



ぼんやりする。
貼付けた笑顔。


「すみません、また…先生に迷惑を……あぁ…大変…もうこんな時間…」

「神村」


「は、い―…」







気絶させ俯せにする。
厄介な呪い。




簡単に意思をごまかす。






まるで、自分を見ているみたいで。




「やめ、て……せんせ…みないで…やめて、スネイプ先生っ」



泣きじゃくる声。



「これ以上居場所を消さないで…わたしの16年が…壊れてしまう…」




首輪を望む様に言う。
苦しみさえ麻痺しているんだろう。
呪いは彼女には絆に変わっていたんだ。
飼われる事が。






「せん、せぇ…おねがぁい…きらいにな、らない―…でっ」















彼女は愛された事があるのだろうか。


愛した人に。



無いからだろう。
こんなに彼女に胸を締め付けられ愛おしく感じている。




自分も本気で愛して伝わらなかったから…だから解る。神村が抱える抱えきれない苦しみと正しい間違え、感情を。













彼女が目覚める頃には呪いはとけるだろう。

あどけない寝顔を撫でる。






いつか、彼女にいつもぼんやり過ごせる日々を…
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