blunder-mark.
□エンドロール
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「千代とはどうじゃ」
「えぇ、相変わらずです。」
「…セブルス、貴方その…結婚は…」
「やめんか、それはもう少し後にわしが聞く予定だったんじゃ」
ため息をつき耳栓をさりげなくした。
耳胝だった。
「いた、セブルス…」
千代が入って来るとマクゴナガルと校長はにやけた顔をしていて、二人に額をおさえた。
「どうした?」
「あ、あのね、知らなかったの…………………ハリー・ポッターって……………別人だよね?」
「っ!」
「せぶ…なんか、言って…私の想像は間違えで杞憂だって」
言えなかった事。
千代は涙ぐみ「ばかセブルス!」と言い部屋を出て行く。
「なぜ、ハリーポッターが?」
「…彼女は…彼の父親にいじめを受けリリーを取られたと思い、今でもリリーを愛していますから……この数十年知られないように細心の注意を…」
「…そうじゃったな…たかが寮が違うだけと…一番苦しんでいた」
「失礼します」
「いやっ、やだ、来ないで…ジェームス…リリーをとらないでよ!」
「あの!」
「リリーに…変な事吹き込まないでよ…私は貴方が嫌い…」
「僕は父さんじゃない!何故母さんの名前まで―…」
廊下で揉めている千代を見つけ額をおさえた。
泣き崩れる千代を抱き上げると抱き着く。
「ジェームスが…スリザリンと関わるなって…リリーに言ったのよ…私、なにもしてない」
「あぁ」
「せぶ…私は…リリーのなんだったの……ジェームスのせいで私っ棄てられたのかな…」
「そんなことは―…」
「私は…今も棄てられないのにな…何処が間違ったのか教えてよ…リリー…」
ぎゅうっと首にしがみつく千代を腕に座らせ背中を撫でる。
忌ま忌ましいポッターに良く似ている。
「せぶ…もう此処には来ない……………私やっぱり…解らないもん…」
「セブルス!これは―…千代…?」
「っ!ルーピンが…なん、で?」
「千代…落ち着け」
「せ、ぶも…私を…棄てようとして、いたの?そ、ぅ、だよね…リリーの子だもん、可愛いよね…」
飛び降りる。
彼女は震えながら後退りをする。
「私…が、間違えたんだわ。」
泣きながら笑う。
「えぇ、そうよね私が……邪魔だったのよね」
愛していたと言えば私も愛してると笑っていた数時間前。
「待て!千代!」
「もう、邪魔しないね。気づけなくてごめんね…セブルス…」
姿をくらます千代。
振り返りルーピンの胸倉を掴み壁に押し付ける。
「気安く彼女の名前を呼ぶとは図々しいとは思いませんかな?散々いたぶり彼女に"嘘"と"苦しみ"を与えめちゃくちゃに壊しただけでは飽き足らないと…」
「彼女にはあの時の」
「近寄るな!!お前はポッターにだけ目をかけることに勤しむべきではないのですかね。千代に傷をつけた、お前もポッターもブラックも…リリーも許す訳にはいかない」
ただ、いつものように名前を呼んだだけなのに。
ジェームス達が笑っていたの。
彼女は泣きわめきながら言う。
「だから、僕やジェームス達は彼女に」
「許されると思っているのか?我輩が数十年ハリーポッターの存在を必死で隠した!彼女が…戻れないと悲しまないように、いじめられた事を思い出さないように…お前達は自分勝手に許しを求める。」
「セブルス、やめんか」
「っ」
手を離す。
「千代は今でもリリーと友達になれると思っていた。そうでないと、彼女は…今より自分を大切に出来なくなる…お前のようなグリフィンドールの馬鹿共に理解は出来ないだろう。」
千代を探しホグワーツを出る。恐らくは我輩の家だろうと、向かうと案の定。
家の前に雨の中座り込んでいた。帰る場所なんか無かった。
愛する人と友人が帰る居場所だった。
抱きしめると泣きわめく千代。
大人になれない彼女が愛おしい。
「千代…」
「せ、ぶっ…わたし、解ってたの…」
「あぁ…」
「リリーに私は要らなかったって…解ってたよ……」
残酷に大人にする時間。
「私もだ…解ってた…千代」
「ははっ、お、そろい…」
「あぁ…」
「せ、ぶっ傍に居て…好き…なの……っ」
泣き顔にキスをする。
「傍に居てい、いかな?」
「傍に居てくれ、千代」
彼女の話しはここまで。
彼女が変わったのは、仕事大好きになった事。
あと、家に帰り照れ臭そうに愛を告げる。
彼女との話しはいつまでも。
「セブルス…あったかい…」
幼く笑い抱き着く彼女を永遠に…