恋して、愛して。
□恋して、愛して。
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夏休みを目前に控えての期末テスト。
もちろんみんな頭の中はテストよりも夏休みでいっぱいなわけで…
1週間後には期末テストなのに
教室に飛び交う会話は休みの予定ばかり。
「夏休みかぁ…」
授業がない長期休暇は確かに楽しみだけれど
長い間、先生に会えないのはやっぱり辛い。
片思いする女の子ならきっと
誰もが思うことだよね?
うーん…
先生って彼女とかいたりするのかな?
きっといるんだろうなぁ…
だってかっこいいもん
笑顔爽やかだし
優しいし
でもちょっと子どもっぽいし…
「あれ、櫻井じゃん」
「ッ!!」
学校から最寄り駅までの間
先生のことを考えていたせいか
さっきまで私の頭の中にいた先生が今は目の前にいる。
これが噂をすれば…ってやつなのかな(笑)
「今、帰り?」
「はっはい///」
「…遅くね?」
「え?」
「あっいや…櫻井がこの時間にいるの珍しい気がして」
だからその・・・別に
なんて一人あたふたしている先生。
なんかちょっと意外だな…
確かに先生の言うとおり
私がこの時間に下校するのはめずらしい。
いつも遅くても17時には帰るようにしてるし
今日は委員の仕事が長引いて今の時刻は
―18時30分だったりする
「今日、委員の仕事があったんです」
「あっ!そっか櫻井、美化委員だったっけ?」
「はい。ほんとはもっと早く終わってたんですけど…色々してたらこんな時間になってしまって…」
問い詰められてるわけでもないのに
なぜか、下を向いてしまう自分がいて…
本当はもっと、自信もって先生と話したいのに
自分に自信がない私はいつも目線は地面で
先生の目を見て話したことがないに等しい。
―とんっ
心地よい重さを頭の上で感じ、ふと顔を上げてみると…
優しい笑顔を浮かべた先生が私の頭を撫でていた。
「櫻井は、なんでもまじめだよなぁ。毎朝、花壇の水遣りしてるし、あれってローテーションだろ?」
だったら、お前が毎日やる必要なくね?
「ッ////」
どどどどうしよう///
恥ずかしい
恥ずかしすぎる!!
「あっあの…その…」
「ん?」
「はっ恥ずかしいです。その…頭撫でられるの//」
きっと今の私は顔が真っ赤だろうな//
だって顔がすごく熱い。