往復書簡

□往復書簡
53ページ/53ページ

エピローグ

「おはよう、宮本さん」
「お、おはよう、月森くん」

「そんな顔しないで」
「……うん」
「俺の気持ちは変わらないよ」
「ほんと?」
「当然。手紙にも書いた。『それでも俺は、あなたが好きです』」
「!」
「もうひとりの宮本さんも宮本さんだよ」
「うん、うん……。ありがとう、月森くん」

「俺の時間も、いくらでもあげる。だから手始めにまず、稲羽でのことを話すのを聞いてくれないかな」
「もちろん! ていうかそれ、超楽しみにしてた」
「期待は裏切らないよ。それに、納得してもらえると思う」
「なにを?」
「俺が、もうひとりの宮本さんのことを全然、なにひとつ、これっぽっちも、問題に思ってないってこと」
「関係あるの、それ」
「うん。なにせ……って、始めたいとこだけど、まずは学校に行かないと」
「えー」
「近いうちにゆっくり話そう。その……」
「?」
「……ふたりきりに、なれるところで」




前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ