往復書簡
□往復書簡
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宮本 美織 様
七夕さまへのお願いごとは「世界征服!!」
月森孝介です。
あっという間に7月ですね。
菜々子と一緒に居間に笹を飾ってきました。
短冊を前に、一番に思いついたのは「事件が早く解決しますように」だったけど、それだと菜々子も叔父も不安にさせるだろうから、子供のころ書いてたことを思い出して、そのまましたためてみました。
宮本さんの直感、当たってます。
りせの特番、それがマヨナカテレビで間違いありません。さすがはアイドル、そちらにまで噂が届くんですね。
内容が内容だっただけに、今回は解決を急ぎました。でも、そもそも俺たちがもっと上手く立ち回れていたら、彼女が被害にあう前に止められていたはず。そのもどかしさと焦りのせいか、あわやという場面を招いてしまったことを反省しています。
マヨナカテレビももう何度目か、俺たちは出来るっていう慢心もあったかもしれない。いい結果に終わったから良かったものの、リーダーとしてもう一度気を引きしめないといけないですね。
それにしても、とにかく常に後手に回る状態なのが悔しいです。起きたことに対処するだけで根本的な解決になってない。
この間、病院のバイトで「対症療法」という言葉を知りましたが、俺たちがやってることはまさにそれ。歯がゆいです。
ところで、命の危機はもうひとつありました。
それがこの間の手紙の料理云々につながるんだけど、ありがとう、またちゃんと答えをくれて。
どうも俺は、これを言うぞ聞くぞと思い込んだらヤブから棒でもお構いなしになってしまうところがありますね。肝に命じます。
実はあの直前に林間学校でキャンプをしたんだけど、そこで、この世のものとは思えない、カレー…らしきものに出会いました。
ひと口食べて、失神。
マジで。
ああ、思い出すだけで舌がおかしい。
それほどの代物を作っておきながら、張本人たちの言い分はあくまでも「ちょっと失敗しただけ」。
女子に任せっきりにした俺たちも悪かったけど、周りの班はどこもそれなりに作れているのに、この根拠のない自信はどこから来るんだ、俺の周りにまともに料理できる女の子はいないのか?って、怖くなっちゃって。
試すようなことして、ごめん。
飾った感じのない回答と説得力のある献立に、大変満足いたしました。ありがとう。
勇気づけられて、俺も久しぶりに料理をしてみたよ。
なんてことないハンバーグだけど、ちゃんと"まともに"できたし、弁当にしてその女子のうちのひとりに食べさせたら、好評でした。いい意味で仕返しになったかな…。
いつか宮本さんの料理も食べてみたいです。
そうだ、初バイト、合格おめでとう!
遊園地っていうと、デスティニーランド?
楽しく仕事ができるといいね。
体験談期待しています。
では、7日の星空を祈って。