テニスの王子様
□丸井くんの彼女は指フェチ
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俺の彼女は、指フェチだ。
「ブン太くんの指って、美味しそうだよね?」
「はぁ?んな訳ねぇだろぃ。ほら、試しに舐めてみるか?」
なんてな、と笑って差し出した指を引っ込めようとした時、徐ろに美香は顔を寄せて来て
カプッと俺の指に食いついた。
「お、おい!マジかよぃ!」
まさか本当にするとは当然思ってなかったから、かなり焦って指を美香の口から引き抜こうとして
「んっ………ぶんひゃくんのゆひ、やっはりおいひぃ……」
辞めた。
俺の指をしゃぶる姿があまりに可愛くてってのもあるが、案外舐められるのも気持ち良かったから。
熱くて柔らかい舌で人差し指の付け根から先まで舐められた時は、全身に痺れが走った。
「ぅ…美香、舌使い上手ぇな……」
「…ほんなこと、ないお……ん」
「嘘つけぃ……」
本当に嘘だ。
しばらく人差し指を舐めていた美香は、満足そうに……ではなく、物足りなさそうに俺を見上げて
「もっと、舐めてもいい…?」
「…好きにしろぃ」
そんな風に可愛くされたら、ダメなんて言えるはずがない。それに、俺自身も満更じゃなかった。
「……あむ………ん、」
「……ぅ……」
手首をしっかり持って、他の指も舐め始める美香。
赤い舌を伸ばして、指と指の間を舐められた時、思わず「…あっ……」と少し甲高い声を出してしまった。それでも美香は、聞こえないフリをしてずっと指を舐めている。
俺も指を舐められているだけなのに息が上がっていた。
噎せ返るんじゃないかってくらい根元まで指を口に含み、頭を上下されれば、アノ行為を連想させて思わず下半身が熱くなってしまった。
「美香…」
「ぶんひゃく……ほお?…ひもひぃ?」
美香のざらざらしたぬめりのある舌が指を包み、そこから溢れた唾液が手首まで伝ってきた。
たまに指先を軽く噛まれれば背筋がゾワゾワして、もっとその舌で舐められたい、もっと美香を感じたい、もっと気持ち良くなりたいと欲が湧き上がってきた。
「…ああ……けど、もう限界……」
急かす気持ちを抑えて、名残惜しそうな美香の口から指を引き抜くと、ズボンのチャックに手をかけ
「こっちも舐めて」
既にそそり勃った自身を取り出し、美香の眼下に晒した。
「ブン太くん……もう、こんなに…?」
「…仕方ねぇだろぃ。美香の所為なんだからな」
恥ずかしくて顔を逸らすと、美香は嬉しそうに微笑んで
「それじゃ…責任取らなきゃ」
「……あっ……う、はぁ……ばか…!」
いきなり口に含まれ、危うく出す所だった。寸での所で抑えたのはいいが、指での美香の舌の感触を自身で感じると、最高に気持ち良くてすぐにまた溢れてくる。
「……は、ぁ……美香、すげー…気持ちイイぜ…」
「よかっ…は……ん、ちゅ……」
必死に俺のを咥えて動く頭を撫でる。下から聞こえる息の混じった声といやらしい水音に益々興奮した。
「…あ、ふ………おっひぃ…」
「……だ、ろぃ…?」
なんてドヤ顔しているが、心に余裕なんてこれっぽっちもなくて、理性は相当擦り切れていた。
「やべ……出るっ……美香、もう」
眉間に皺を寄せて、足の間に顔を埋めている頭に手をかけるが、美香は俺を離さなかった。
「美香っ……!」
「…ん、いいよ……このまま…」
「あの、な……くぁっ…!うっ……」
「んんっ……」
言い返そうとした瞬間、亀頭に軽く歯を立てられて、俺は呆気なくイッてしまった。あー…俺、超格好悪ぃ……。後悔はあっても快感も確かに感じていた。
俺は、肩で息をしながら額に滲んだ汗を袖でひと拭き。
「美香、ごめんな…大丈夫か…?」
肩を揺すると、美香はゆっくり顔を上げ、笑顔で唇を端から端までぺろりとひと舐めした。
その仕草は反則だ。
「…美香、お前全部」
「だって、ブン太くんは全部美味しいんだもん。…あ、一番美味しいのは指だけどね」
なんて幸せそうに笑う。つられて俺も笑うと、美香の唇をそっと指でなぞり
「そんじゃ、次はこの指で美香のこと気持ち良くさせてやるぜぃ」
うん、と嬉しそうに頷いた美香をゆっくりと押し倒した。
一生、こいつには敵いそうもない。
俺の彼女は、指フェチだ。
fin.