テニスの王子様

□天才的な丸井くん
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帰り道。丸井先輩の家に寄り道をした私は、いつもの定位置で正座をしていた。
丸井先輩と付き合ってそろそろ1年になるが、私はまだ2人きりでいるこの空間に慣れていない。
一緒に登下校するのだって、手を繋ぐのだって、キスだって…いつまで経っても初めてみたいな私にきっと丸井先輩は呆れていると思う。


「美香」

「は、はい…!」

「んな警戒してんなよ。何もしねぇって言ってんだろぃ」


制服でベッドに横になりながら笑う丸井先輩にカッと顔が熱くなる。
それは、頭の中に一度だけ交わった記憶の熱が蘇ってきたから。


「ち、違いますよ。丸井先輩といると緊張…しちゃうんです。私、誰かを好きになるのも、付き合うのも丸井先輩が初めて…ですから」

「…美香」


恥ずかしくて丸井先輩の顔を見られずにいると、小さく名前を呼ばれ


「こっち、来てみろぃ」


ベッドに座って手招きをされた。
吸い寄せられるように傍に行き、隣に腰を降ろすと


「こーこ」


と、自分の膝を叩いて見せる丸井先輩。


「え……で、でも…」

「いいから。こっち向きで座れって」


こうなった丸井先輩は、最後まで引かない。
心臓がドキドキする中、意を決して言われた通り膝に跨った。

それは、思っていたよりも恥ずかしい体勢だった。
顔を隠したいのに、丸井先輩の顔が下にある所為で目が逸らせない。


「…お、重いですよね」

「全然。なぁ、美香。俺だってお前といるといつも緊張してるんだぜぃ?」

「うそ…丸井先輩、いつも余裕そうじゃないですか」


初めて手を繋いだ時だって、キスをした時だって、体を重ねた時だって…私の知る丸井先輩は、いつも勝ち気で自信に満ちていて、余裕があった。


「そう見えるだけだろぃ」


そう言って抱き寄せられた体は、抱き合っただけでもわかるくらい熱く、ドキドキとした鼓動が伝わってきた。

それは、私と同じ速度の忙しい鼓動。


「丸井先輩…」

「美香、好きだぜぃ」

「…私も、丸井先輩が好きです」


満足したようにお互い微笑み合うと、静かに顔を近付けキスをした。
丸井先輩がいつもより下にいるからか押し上げて来るようなキスに、頭が酔ってくる。


「…ん……ちゅ………ふ、ぁ…」


角度を変えて重ねられる唇について行くので精一杯で、生理的な涙が溢れる。

ぽとりと落ちた涙に気付いた丸井先輩は唇を離し、困ったような表情で顔を覗き込んできた。


「美香……悪ぃな。何もしねぇって言ったのに」

「そんなことないです。私、丸井先輩のこと好き…ですから」


その表情を見ていたら、自然と出ていた言葉。この短い言葉に、私は精一杯の思いを込めた。
恥ずかしさで俯くと、下から覗いてきた丸井先輩と鼻先がくっついた。


「んじゃ、いいんだろぃ?」

「…え?なにが…」

「わかってるくせに」


意地悪に笑いながら、唇を塞がれる。

背中を掻き毟るように荒々しい、息を吸う暇もないくらい忙しいキスは、丸井先輩の心を表しているようで、私もそれに必死に応えた。
体勢の所為か、自分が積極的なのがわかる。

しばらく余裕のないキスを繰り返していた時、不意に体重を預けていた丸井先輩の体が後ろに倒れて行った。


「きゃ……!」


私の体ごとベッドに倒れ、まるで丸井先輩が押し倒されているような体勢になっているのに、腰にはしっかり腕が巻かれていて逃げられない私。


「丸井先……んん、あ…」


そのまま再び噎せ返りそうな深い深いキスをし合う。
丸井先輩とのキスは、やっぱり何度しても慣れなくて…でも、クセになりそうなくらい気持ち良かった。


「ん……まるっ……せ、ぱぃ……」

「…ん」


すっかり丸井先輩のキスに酔ってしまっていた時、馬乗りになっていた足に違和感を感じた。
すっと撫でられる感覚にぴくりと体が反応していると、その手が……膝から太股を這うように撫で伝い、スカートの中に入って来た。


「……やっ………」


思わず足を閉じようにも、馬乗りの体勢では出来るはずがない。

それをいいことに、丸井先輩の手が下着の上から私の亀裂をなぞった。


「すげぇ濡れてる…やっぱ俺って、天才的?」

「…ぁ……せんぱ……」


優越感を感じる丸井先輩だが、私はというと…初めての時を連想させ、これから行われることへの恥ずかしさと恐怖から涙を溢れさせていた。


「…怖いか?」


整った眉を下げて笑い、頭を優しく撫でてくれた丸井先輩に必死に首を振った。
確かに経験は少ないし、怖くないと言えば嘘になる。

けど


「大丈夫、です……私…丸井先輩と、したい…です」


その思いは、誰よりも何よりも大きくて強い。
初めて丸井先輩を受け入れた時、既に決意していたことなのだからーー


「美香…俺もだぜぃ」

「んんっ……あ………!」


唇が重なるのと同時に、丸井先輩は私の下着を一気に引き下ろした。
そして、現れた亀裂に直接指を沿わせ中へと差し込まれると、それだけで体から力が抜けてしまいそうな快感が押し寄せてきた。


「あん……!は、う……せん、ぱ……ぁ、まる……ぃ…せんっ……んん…!…あっ」


自分のものとは思えない程の舌足らずの甘ったるい声に驚いている暇もない快感。
だらしなく開きっぱなしの口から零れた唾液は、下で丸井先輩に飲み込まれていた。


「イイ顔だぜぃ。すげぇそそられる」


そう言って、散々掻き混ぜた私の中から指を引き抜くと見せつけるようにその指が差し出された。
丸井先輩の長い中指と人差し指の先から、トロリとした透明な液体がたっぷり伝っていた。


「…や……っ」

「美香、見てろぃ」


そう言うと、丸井先輩は私に見せつけながら指のつけ根から先に向かって、卑猥に流れる透明な液体を舐めた。

その姿があまりに厭らしくて、妖艶で思わず見惚れてしまっていた。


「…そんな……っ、丸井先輩…」


そんな姿を見せられたら、下半身が疼かずにはいられなかった。
もっと触って欲しくて、もっともっと……と言うように無意識に腰が揺れた。


「コレが欲しいんだろぃ?」


お腹に押し付けられたのは、スラックスを押し上げている丸井先輩のモノ。

丸井先輩との行為もソレを感じるのも
初めてじゃないのに、体は今だに初々しさを纏っていた。

多分それは、丸井先輩だからーー


「欲しいって言ってみろぃ」

「……欲しいです。丸井先輩が、欲しいです……」


丸井先輩を組み敷いて懇願すると、いつもの勝ち誇った笑みを浮かべ、スラックスのチャックに手をかけた丸井先輩。

その手元は、私のスカートで見えず音だけで取り出されたことがわかった。
それだけで私の密部は、更に滑りをよくする。


「美香が上な」

「え!?で、でも……」


視界を遮る自分のスカートに戸惑っていると、丸井先輩は私の揺れる腰を掴んだ。


「俺が挿入てやるから…動くのシクヨロ」

「え?あ、あの…丸井先輩………あ!」


私の言葉を遮って、丸井先輩はゆっくりと腰を動かした。


「あ、ああ………っ」

「…くっ」


見えないのは丸井先輩も同じなのに、まるで見えているかのようにお互いの性器があっという間に交わった。


「は、ぁ……はぁ…ま、るいせんぱ……んっ」

「どう…っ、天才的?」


いつも余裕に見える丸井先輩の表情が歪んだ。中にあるモノも待ち切れないように脈打っている。

もちろん私も、すぐに腰が動いていた。


「…ぅ……美香っ」


笑ってくれるのが嬉しくて、もっと丸井先輩に気持ち良くなって貰いたいと思う。
だから、必死にぎこちないながら腰を上下に動かし続け、丸井先輩も下からズンッと突き上げた。

少ない経験の中で、既に知り得たお互いの快楽の部分を刺激し合う。

グチュグチュとした卑猥な水音だけがスカートで遮られた向こう側から聞こえてくるのが、私達を更に興奮させていた。


「…はっ……あん、あん、あん……!まる、いせんぱ…ぃ……あ、ああ……ん……もう、わたし…」

「一緒、に…イこうぜぃ」


そして

制服を着たままの肌に、汗でYシャツがすっかり張り付く頃


「……ぅ、く…!」

「あ、ああああ…あああああんっ!」


私は、意識を手放した。

その時見た真っ白な景色も、貴方となら何度だって眩しく思う。



fin.

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