イナズマイレブン
□心まで
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「かっ…りや…」
先輩、苦しいのかな?なんて思いながらも、唇を離す気なんてない俺
苦しんでる先輩も見ていたいし、何より先輩は俺とのキスを欲しているから
その証拠にほら、こうやって先輩からも舌を絡めてくる
「…んぅ…」
先輩の神経が舌に集中している間に俺は右手を上半身へ、左手を下半身へ移動させる
「やっ…ぁん…」
三方からの刺激に先輩の体がびくんと跳ねた
俺はこの人が大嫌い
だったはずなのに、何だよコレ?
何で俺こんなに、好きになってんだよ…
「俺、我慢しませんよ。霧野先輩」
コツッ
「………………」
先輩の耳元で呟いた瞬間、廊下から足音が聞こえ、お互い顔を見合わせた
「狩屋…見回りだ…」
「霧野先輩、あんまり喘ぐと見つかっちゃいますよ」
「なっ…自重しろ!」
「自重?それ、美味しいんですか」
「か〜り〜や〜」
ガチャ
言い合いをしていると、突然部屋の扉が開けられ、この暗闇でも栄えた深紅の髪があの人であることをわからせた
「ヒロトさん!?」
「狩屋、相変わらずだね」
「何しに来たんだよ…」
明らかに不機嫌にする俺に、ヒロトさんは苦笑した
「邪魔して悪かった。けど、今日は真面目な話をするために、お前を探していたんだ」
「真面目な話?」
そして、俺をじっと見つめて切り出した話は
「狩屋、姉さんのチームでサッカーをやらないか?」
「え…」
驚いたのは、俺も霧野先輩も同じだった
「それって…狩屋に雷門を抜けろってことですか…?」
「そうなるね」
俺が雷門を抜ける?
「姉さんが新しくサッカーチームをつくっていて、そこに狩屋を入れたいそうなんだ。だから…」
「嫌だ」
答えは考えなくても決まってた
「確かにヒロトさんや瞳子さんには感謝してるけど…俺、雷門で霧野先輩とサッカーやりたいんだ!」
「俺からもお願いします!狩屋を連れて行かないで下さい!」
先輩もヒロトさんに頭を下げてくれてたが、ヒロトさんの瞳は揺るぎなかった
「2人とも気持ちはわかる。けど狩屋、これは瞳子姉さんの頼みだよ」
おひさま園で育てられた以上、瞳子さんには逆らえない
そんな現実を前に、悔しさのあまり拳を堅く握り唇を噛んだ
雷門にいたい
霧野先輩といたい
この気持ちに嘘はないのに