イナズマイレブン
□天まで届いて
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「あのどれかにサッカーの星があるのかなー?」
「サッカーの星?」
「あーやって、俺たちを照らしてくれてさ!」
天馬のこういうまっすぐなところ、昔と全然変わってない
「そうだね。でも、宇宙から見たら地球がサッカーの星なのかもしれないね」
「あ!確かに!う〜ん…」
「例えばよ!例えば!天馬だったら、サッカーの星は俺たちのココにある!なんてくさいセリフ言うと思ったよ」
「く、くさいセリフ!?酷いよ、葵〜」
私が笑って胸をとんと叩くと、天馬はずるずると土手を滑った
「ふふっ、ごめんごめん」
「でも、本当にそうかもしれない!雷門がサッカーのでっかい星になるだ!!!」
「うん!天馬たちなら、なんとかなるかもね!」
「なんとかするさ!」
天馬が大きく伸ばした腕は、今にも天に届きそうだった
「すっかり遅くなっちゃったな〜。葵、ごめん」
「私なら大丈夫!天馬と一緒だし…」
「そ、そっか!」
ねぇ、天馬
私が伸ばした腕は、天馬に届くのかな?
「!」
思わず天馬のジャージの裾を引っ張ってしまい、天馬も私も歩いていた足を止めた
「葵…?」
「天馬…手、繋いで帰らない?」
言ってから私の顔はみるみる上気していった
「ほ、ほら!昔よく繋いで帰ったじゃない!?だからっ…
…もう、そういう年じゃないよね…」
「繋ごう!」
「え…?」
驚いて顔を上げ、天馬と目が合うと、同時に私の右手が天馬の左手に包まれた
そしてお互いの顔が見れなくなる
「な、何か緊張するな!」
「うん///でも…落ち着くよ」
「俺も!」
昔よりも高い位置から私を見下ろす天馬と目が合った時、昔よりも大きくなった手に包まれた時思った
天馬は男の子なんだなって
いつか言えるといいな…
私がマネージャーをやっている理由
天まで届いて私の思い
fin.