イナズマイレブン

□天まで届いて
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天まで届いて私の思い




「やっときた!」


サッカー棟からバタバタ駆けてきた天馬と信助の学ランがだらしなく乱れている


「もう、遅かったじゃない!」

「ごめんごめん!キャプテンから明日の朝練について話があったんだよ!ね、天馬?」

「そうそう!葵、先帰ってればよかったのに…」

「な、何よ!待ってちゃいけない!?」

「そ、そんなこと言ってないだろ〜」

「ほら!制服ちゃんと着て、帰るよ!」


私は天馬の学ランを整えて歩き出した

「ふふっ」

「な、何だよ信助」

「あのさ、ずっと思ってたんだけど〜
2人って仲良しだよね!」


!!!!!!


「まぁ、幼なじみだし」


天馬の言葉に、上気した顔が一瞬で冷めた


天馬にとって私なんて、ただの幼なじみ

このまま2年後には、ただのマネージャーになっちゃうかもしれない


いつも天馬は「葵」って呼ぶよりも多く「サッカー」って言うから


どうして私がサッカー部のマネージャーになったのかも知らずに…



「じゃ、僕こっちだから!また明日ね!」

「明日な、信助!」

「また明日!」


信助と別れて天馬と2人で街灯に照らされる道を歩いていると、自分でも緊張しているのがわかる

昔はいつも2人で帰ってたし、手も繋げていたのに、今は思い出すだけで恥ずかしい…

なんて考えていた時、いきなり天馬が手首を掴んできた



「て、天馬…!」

「こっち!」

「ちょっと…どこ行くの!」


どうして普通にこんなことできるの?


引かれた手の力強さに戸惑いつつ、足を止めた場所を見渡す


「河川敷?」


「何か無性にここ来たくなったんだ!」

そう言って、草原の土手に寝転がる天馬

「天馬!制服汚れるよ!」

「草乾いてるから大丈夫!葵もこいよ!」

「も、もう…!」


一瞬男らしく見えた天馬の隣にぎこちなく寝転ぶと、夜空には満天の星が輝いていた
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