イナズマイレブン
□部室のケミストリー
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「何も忘れてないですよー。霧野先輩、騙されましたね」
「は!?おい!いきなり抱きつくなって言ってるだろ…!」
「いいじゃないですか♪誰もいないんだし」
僕がいるんですけどー!!!
心の中で必死に叫んでも、2人に届くはずもなく、隠れてしまった自分が段々惨めに思えてきた
「そういう問題じゃないだろ…何も忘れてないなら帰るぞ」
「えー、もう帰るんですか?」
「当たり前だろ」
「もう少し一緒にいたいんですけどw」
手を頭の後ろに組んで笑う狩屋に、霧野先輩はため息をついた
「狩屋、少しは自重しろ。他の奴の目に付いたらどう説明するんだ…」
「そーですね…霧野先輩は神童先輩にしか言ってないんですもんね」
「そう言うお前こそ、影山は知ってるみたいじゃないか。…信頼してるんだな」
「はぁ!?…ま、まぁ一応…」
照れたような狩屋の言葉に驚いたのは霧野先輩だけでなく、
僕もだった
今にも飛び出しそうな叫びを押し込め、嬉しさを噛み締めた
僕、狩屋を親友って言っていいんだよね?
「…いいよな、そう思えるような奴」
「今、神童先輩のこと考えてます?」
「狩屋…」
困ったように笑った瞬間、狩屋は霧野先輩の手首を掴み、机に体を倒した
「な、何するんだ…!」
「まだ神童先輩のこと好きなんですか」
「…狩屋…もうやめよう」
いつも凛々しい霧野先輩の声は震えていた
「どういう意味ですか」