イナズマイレブン
□グランドのケミストリー
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どのくらいの時間見ていたただろう
ほんの少しの隙から、狩屋は霧野先輩の右側を走り抜け、ボールをゴールへ蹴り入れた
その頃には、2人共肩で息をしている程
「へへっ…」
「…はぁ…やられ、た」
霧野先輩はバタリとグラウンドに倒れると、胸の仕えがなくなったように笑った
「…狩屋、ありがとう…」
「霧野先輩。俺、諦められませんよ」
「狩屋…お前のまっすぐな気持ち、伝わったよ。
けど俺は…お前みたいには出来ない…俺もお前ぐらい、まっすぐに想えていたら…くっ…」
月明かりで、霧野先輩がとても綺麗に見えた
狩屋は腕で月から顔を隠す霧野先輩のところへ歩み寄り、頭元にしゃがんだ
「霧野先輩…俺の中の先輩は、いつだってまっすぐです」
「狩屋…」
白くて綺麗な腕を退け、目の前に現れた綺麗な唇に狩屋は自分の唇を重ねた
「ん…っ」
僕のところから2人の表情はわからなかった
***
「おはよう!狩屋、影山!」
翌日、天馬と信助も集まり教室へ向かう
「おはよう…」
ちらりと狩屋を見るといつも通りの表情
「なんだよ」
「い、いや!(あ、声裏返ちゃった!)」
「変なん奴……あ!」
動揺しまくりの僕に苦笑した後、狩屋は目線の先にあるものへとまっしぐら
「霧野先輩♪」
「お、おい///急に抱きつくな…!」
その時の狩屋の笑顔を見ていたら、凄いことが起きないわけないって思えた
fin.