イナズマイレブン

□グランドのケミストリー
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「悪い神童、少し残るから先に帰っていてくれ」
「自主練か?なら、俺も付き合うぞ」

放課後の練習を終え片付けをしていると、まだ狩屋がボーっとボールを転がしていた


「どうしたの、狩屋?もう帰ろうよ」

「あー…」

しかしその目線はボールではなく、違う方向を向いていた

「いや、遅くなるから大丈夫だ。明日見てくれるか?」
「わかった。あまり無理するなよ、霧野」
「あぁ!」

神童先輩は霧野先輩と分かれると、こちらに歩いてきて微笑んだ

「影山、狩屋。お前達もしっかり休めよ」

「はい!ありがとうございます!さようならっ」

「……………」

「どうしたの?キャプテンにあいさつはしなきゃ…」

僕がお辞儀しても何も言わない狩屋を見ると、視線は夕日に照らされるフィールドでボールを蹴る霧野先輩に向いていた

「神童先輩と霧野先輩って仲良いよね!幼なじみなんだっけ?羨ましいよね」

「…何で」

「え!いやー…幼なじみって何かいいなって…僕、そんな昔からの友達いなくて…狩屋は!?幼なじみとか親友とk…」

「いねぇよ。俺にはサッカーしかなかったから」

当たり前のように言う狩屋の横顔は寂しいっていうより、諦めているようだった

「僕もだよ…サッカーしかやってなかったから、全然周りが見えなかった…でも今は!こうしてサッカーで仲間が出来た!天馬とか信助とか!もちろん狩屋も!
僕たちもう親友だよね!?」

「は、はぁ!?何言ってんだよっ…!」

やっと狩屋がこっちを向いてくれたことが嬉しくて僕は、ねっ!と笑いかけた

「俺は帰る!」
「あ!僕も―!」

立ち上がった狩屋に続いて階段を駆け上がった
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