うたの☆プリンスさまっ♪

□猫の飼い方
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「失礼します」

「……んっ」

「!!!」


手を伸ばし、その猫耳に指先が触れると同時に出た翔くん声に、思わず手を引いてしまった。


「ご、ごめん!びっくりしちゃった?」

「…いや、びっくりっつーか……あっ」


ぴくぴく動く耳を再びさわさわと撫でると、翔くんは体を捻らせた。

しかし、尻尾はゆらゆらと左右を行ったり来たりしている。


「もしかして、翔くん…気持ちいい?」

「…な、なわけねぇだろ!」

「でも尻尾、振ってるし…」

「尻尾は……っあ!」


タイミングよく、動いていた尻尾を掴まえ、指をにぎにぎと動かしてみた。


「や、やめっ……ぁ、はっ」


どうやら耳や尾は性感帯のようだ。

その証拠に、翔くん自身も反応を示しているから。


…と、いうことは気持ちいいってことなんだよね?


「もっと、触ってもいい…?」

「……っ」


顔を赤らめた翔くんの反応を肯定と取り、私は子猫のように翔くんを抱きしめ撫で始める。


「花…っ、はぁ…」


私の膝に頭を乗せ、ごろごろと寝返る翔くんは本当の猫のようで、しばらく撫でる手を止められなかった。



















そして、存分に触り疲れ2人とも寝てしまい、目を覚ますと部屋は薄暗かった。


「……ん―…」


もうそんな時間か、と体を起き上げ



られない。



寝ぼけた頭が働くと、自分が翔くんに押さえつけられているのだとわかった。


「しょ、翔くん!?」

「何だよ、起きちまったのか」


邪を含んだ翔くんの表現がはっきりしてくると、私は息を呑んだ。


「翔くん!み、耳が…」


なくなっていたから。


「あぁ。起きたらこうなってた」


下も見ずとも同じだろう。

しかし、一番疑問なのは


「な、何してるの!?」

「仕返しだ、花」

「きゃっ…!」


立場逆転。

にやりと微笑んだ人間の翔くんが私に覆い被さった。



猫の飼い方
には気をつけましょう。





            fin.
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