Main
□ここに居れば?
2ページ/3ページ
「あ、あの…」
「動いちゃダメ。そこで固まってて」
「は、はい」
折原くんのいう通りに従ってると、折原くんは何処からか小さな箒とチリトリを取って来た。
「あーあ、椎奈のせいで皿が一枚減っちゃった」
「…ごめんなさい」
さっさと破片を片付け、あっという間に綺麗な床に元通り。もう流石としか言えません。
「で?」
「はい?」
「俺に言いたい事あるんでしょ?」
そうだ、謝らなくちゃ…。
でも、こんなに迷惑かけて今更ですし…。
「椎奈」
私の名前を呼ぶ。
ただそれだけなのに、すごく安心した。
よし、
「…折原くん、今まで沢山迷惑かけてごめんなさい。私、やっぱり駄目で…1週間まともに生活できないし、挙句の果て倒れるし…
それなのに今まで一度も折原くんに謝罪しなかったです。本当にごめんなさい。」
凄く長い沈黙でした。
あ、でも…もしかしたら10秒とかそれ位だったかもしれません。
でも私には凄く長く感じました。
「それだけ?」
「はい」
絶対怒られる。もう生活費とか出してくれないだろうな…。
「別に俺、気にしてないけど?」
「へ?」
「もう馴れたっていうか…それに、確かに椎奈は謝らないけど、感謝の言葉は言ってるだろう?だから今更、謝罪はいらないから」
なんというか…私の中の折原さん好感度がすごく上がった気がします(もともと好感度は結構高かったですけど)
「…よかったです」
これで私の生活費などの心配はなくなった。と私は安堵しました…
が、
「てか、もういちいち喧嘩して俺の所来るの面倒じゃない?」
確かにそうですね、と私が頷くと
「じゃあもう、ここに居れば?というかそうしようよ」
そうですね、そうしましょう!って
「なわけあるかですっ!!」
いやいや!!考え方可笑しいですよね!?なんでそうなったの!?
「え、別によくない?」
「よくありません!」
てかそんな可愛らしく首かしげても駄目ですから!!
私が断固反対、と腕を組んでいると、折原くんは何か考え付いたのかにんまり笑った。
「な、なんですか?」
「じゃあさ、あの時の約束…今使っても良いよね?」
約束
頭の中であの時の出来事がフラッシュバックする。
「…」
「それは査定かな?じゃあそう事で」
「…昔の出来事をネチネチいう人は嫌われますよ」
「良いよ。別に」
こうして私は一人暮らしを強制終了させられ、情報屋にして同級生の折原くんの家で、強制的に居候とさせられる事になりました。
あとがき→