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□ここに居れば?
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「あ、あの…」

「動いちゃダメ。そこで固まってて」

「は、はい」

折原くんのいう通りに従ってると、折原くんは何処からか小さな箒とチリトリを取って来た。

「あーあ、椎奈のせいで皿が一枚減っちゃった」

「…ごめんなさい」

さっさと破片を片付け、あっという間に綺麗な床に元通り。もう流石としか言えません。

「で?」

「はい?」

「俺に言いたい事あるんでしょ?」

そうだ、謝らなくちゃ…。
でも、こんなに迷惑かけて今更ですし…。

「椎奈」

私の名前を呼ぶ。
ただそれだけなのに、すごく安心した。

よし、

「…折原くん、今まで沢山迷惑かけてごめんなさい。私、やっぱり駄目で…1週間まともに生活できないし、挙句の果て倒れるし…
それなのに今まで一度も折原くんに謝罪しなかったです。本当にごめんなさい。」

凄く長い沈黙でした。
あ、でも…もしかしたら10秒とかそれ位だったかもしれません。
でも私には凄く長く感じました。




「それだけ?」

「はい」

絶対怒られる。もう生活費とか出してくれないだろうな…。

「別に俺、気にしてないけど?」

「へ?」

「もう馴れたっていうか…それに、確かに椎奈は謝らないけど、感謝の言葉は言ってるだろう?だから今更、謝罪はいらないから」

なんというか…私の中の折原さん好感度がすごく上がった気がします(もともと好感度は結構高かったですけど)

「…よかったです」

これで私の生活費などの心配はなくなった。と私は安堵しました…

が、


「てか、もういちいち喧嘩して俺の所来るの面倒じゃない?」

確かにそうですね、と私が頷くと

「じゃあもう、ここに居れば?というかそうしようよ」

そうですね、そうしましょう!って

「なわけあるかですっ!!」

いやいや!!考え方可笑しいですよね!?なんでそうなったの!?

「え、別によくない?」

「よくありません!」

てかそんな可愛らしく首かしげても駄目ですから!!

私が断固反対、と腕を組んでいると、折原くんは何か考え付いたのかにんまり笑った。

「な、なんですか?」

「じゃあさ、あの時の約束…今使っても良いよね?」

約束

頭の中であの時の出来事がフラッシュバックする。

「…」

「それは査定かな?じゃあそう事で」

「…昔の出来事をネチネチいう人は嫌われますよ」

「良いよ。別に」

こうして私は一人暮らしを強制終了させられ、情報屋にして同級生の折原くんの家で、強制的に居候とさせられる事になりました。


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