スマイルプリキュア&時を超える桃太郎 2
□最初に言っておく!
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【ゼロライナー】
その中で侑人は炊き込みご飯を掻き込んでいた。
侑人「おい、デネブ…」
デネブ『ん?な〜に〜、侑人?炊き込みご飯美味しい?』
侑人「お前、椎茸いれたか?」
デネブ『え?何の事…かなぁ……』
デネブは目をそらしてとぼける。
侑人「椎茸入れるなって、いつも言ってんだろーが!!」
デネブ『ぐえっ!』
侑人にチョークスリーパーを決められるデネブ。
ゼロライナーがバタンゴトンと揺れる中、扉が開いた。
テディ『騒々しいな。椎茸一つで…何を騒いでるのやら』
デネブ『あ』
侑人「テディ…」
それはNEWデンオウの派遣イマジン──テディ。
テディはゼロライナーの席に腰を下ろし、出されたお茶を飲みながら侑人と話を始めた。
テディ『ファーストコンタクトはどうだった?』
侑人「ふん…、良々はやっぱ甘さが目立つな。それに日和ってやがる。俺とは仲良くできそうには無い」
侑人はキツくテディに報告した。
テディ『別に仲良くする必要はない。重要なのは共闘できるかどうかだ。それに、実力は…あのコウモリのイマジンの時から随分成長しただろう?』
侑人「フロンティアフォームか?
──あれはあまり良くない。あれに頼っている内は成長とは言えないな」
テディ『そのフォローにお前がいる。でないと、未来の桜井のしてきた事…すべてが無駄になる』
侑人「…わかってるよ」
テディ『じゃあ、頼むぞ』
侑人「ああ…」
そう言ってテディは席を立つ。
侑人「──くそ、なんで良々みたいな奴がデンオウなんてやってんだ?」
誰に対して言ったわけではなく、侑人がポツリと呟いた。
テディ『不服か?』
デネブからキャンディーを貰っていたテディが振り返り訊く。
侑人「あいつは昔から頑固で人の言う事なんてまるで聞かないやつだ。
そして今も…。
あいつは運が悪くて弱くせしてすぐに首を突っ込む。
プリキュアのフォローがあったとしても…あんな奴にデンオウが務まるのかよ?」
それを聞くとテディはしばらく黙り、口を開く。
テディ『お前の“強い”と言うのは一体何を基準に強いと言うのか知らないが、
デンオウは野上 良々──それが運命だ。
今…彼女への評価を下すのは、いささか性急すぎやしないか?
しばらく…様子をみて決めてもいいと思うぞ?』
侑人が不快感を感じているのを他所にテディはゼロライナーを後にした。