スマイルプリキュア&時を超える桃太郎 2

□閑話・ゼロのスマイル
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 シュシュシュシュ…、ゴリゴリゴリ…


 時の砂漠を走る列車・ゼロライナー



 その中で侑人は真剣な顔をして“ある作業”をしていた。


 それは──かき氷。
 大きなブロック氷をかき氷機で削り、ガラスの器に盛っていく。
 削った氷がガラスの器に山盛りとなり、侑人は余ったブロック氷を冷蔵庫に仕舞って、冷蔵庫から アイスコーヒーを取り出した。
それを削られた氷の上にまんべんなくかけ、その上から練乳をかけて完成。

 それを小さいスプーンで一口。



侑人
 「ん〜、うまい!やっぱ夏はアイスコーヒーのかき氷だ。
氷はブロックアイスを削ったのに限る。」



 そんな至福の時間を感じてる時。



デネブ
 『侑人〜!侑人、みてみて〜っ!』

侑人
 「ん?」



 デネブが侑人に見せたのは学生の制服。



侑人
 「何だそれ?」

デネブ
 『みゆきちゃん達の通ってる“七色ヶ丘中学校”の制服!』

侑人
 「ふーん、お前まさか──…」

デネブ
 『ん、その通り!』

侑人
 「お前まさか…学校通いたいのか?男子の制服なんか着て」

デネブ
 『違うよ〜。これは…侑人の!』



 察しのいい侑人はわざと間違えてみたが、全くもって予想通りらしい。



侑人
 「お前な…俺はいかねーぞ!何で俺が…しかも、あいつらの学校いかなきゃなんないんだよ!!?」

デネブ
 『侑人は学生でしょ?学校通った方がいいよ!!』

侑人
 「勉強ならゼロライナーで決まった時間やってるだろ!!」

デネブ
 『でも、お昼とか…みんなで食べた方が楽しいよ?』

侑人
 「…他人と飯食ったって味変わんねーよ!」



 侑人の冷たく突き放す様な物言いにデネブは少し悲しくなる。
 しかし、デネブにとって侑人の物言いは慣れっこだ。デネブの悲しみは侑人の生き様からくるものであった。



デネブ
 『……侑人…どうしてもダメ?』

侑人
 「デネブ、俺たちはこの時代に遊びに来たんじゃないんだ。
イマジンが時の運行を乱し、“ヘイマルメネー”までに…“デッドエンド”の未来になるのだけは防がなくちゃならない!
──それは…わかってるな?」

デネブ
 『…わかってる。でも──』

侑人
 「話は終わりだ!俺はいかないぞ。そんな事してる暇があったら、イマジンが活動してないか見回りしてた方がいい。そんな時間ないんだよ!!」



 通学よりもイマジンから時の運行を守る事を優先する侑人。



デネブ
 『侑人はそれでいいの!?淋しくないの…?このまま独りで戦い続けても侑人にとって、辛いだけだよ!?』

侑人
 「───辛い思いはもうした…十分すぎるくらい」



 デネブの提案はにべもなく一蹴され、侑人はかき氷をガシガシ食べ始めた。



デネブ
 『侑人、確かに侑人は──この時代の人間じゃない。でも、桜井は桜井で…侑人は侑人の時間を生きて欲しいの…』

侑人
 「…………」
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