文
□コスプレイヤー
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「顔を変えずに着て、何か意味があるんですか?」
ジョーカーは邪眼で、自分の前に座っているニコニコ顔のクイーンを見た。
彼は今、学ランを着させられている。どこにでもありそうな、普通の学ランだ。
ボタンは一個も締めずに、中に藍色のシャツを着ていて、目の青さと髪の黒さとで、すごく似合っている。
「意味があるに決まっているだろう!」
そう言うクイーンは楽しそうだ。
何故こんな事になったのかと言うと、今日の朝にさかのぼる。
☆
「そうだ、変装大会をしよう!」
――そうだ、それはいい!とクイーンは自画自賛する。
自分が座っていたソファーから飛び起きると自分に言い聞かせるように呟く。
「大会となれば、場所はここの部屋がいいな。うん!」
キャッキャッとはじゃくクイーンを尻目に、RDは声をかける。
【色々と質問したいのですが、今最も質問したいことを聞いてもいいですか?】
「なんだい?RD」
【何故変装大会を開こうと思ったんですか?】
本当に最もな質問だ。
クイーン自体が変装好きで、何時も変装している様なものだ。
なのに何故変装大会を開くのだろうか。
「何故って・・・勿論、この大会を通して早く着替えるだとかそう言うのを、ジョーカー君に身につけて欲しいからだよ。」
【本当ですか?】
「・・・本当だよ。」
この時、クイーンが言うまでに、1秒ほど間があった事をRDは見逃さなかった。
【本心は?】
「ジョーカー君にコスプレをさせたい!」
もし漫画ならば、クイーンの後ろにドーン!!と書かれているだろう。
【そんな事だろうと思いました。】
スピーカーから呆れた、と言うような声が聞こえて来そうだ。
「だって何時もの変装じゃ、ジョーカー君の顔が隠れてるじゃないか!わたしはジョーカー君の可愛らしい顔で、色々な服を着せたいんだ!」
力説をするクイーン。
だが内容は力説とは程遠い残念な内容だ。
そんな力説を中断させ、RDは言った。
【はいはい解りました。ですが難点がありますね。】
「なんだい?」
【ジョーカーが着てくれるのか、と言う難点です。】
「ああ。その点は大丈夫だよ。」
クイーンは右手をヒラヒラさせながら言う。
「ジョーカー君には、これは修行って言うから。」
ニコッと天使のように笑い、伸びをするクイーン。
RDは心の中で、悪魔や!こいつは天使やのうて悪魔や!と思う。
そんな時、被害者になる人が部屋に来てしまった。
「何をしてるんですか?」
☆
と言うわけで、ジョーカーはあえなくクイーンに捕まり、部屋に入れられ、コスプレをさせられたのだった。
「ぼくが思うに、訓練と言うよりあなたが楽しんでる様にしか見えないのですが。」
「そんな事は無いよ!」
と言いながら、クイーンは一眼レフカメラを片手に写真を撮っていた。
「なっ!?写真を撮らないで下さい!」
「いいじゃないか!」
「良くないですよ!」
「だってわたしはジョーカー君の学生姿を、見たことも撮ったことも無いんだよ?」
「だからって撮らないで下さい!!」
ギャーギャー騒ぎ出す2人。
【クイーン、こっちの方が撮りがいが有ると思いますよ。】
そう言うとRDは、ジョーカーの頭に何か付けた。
ジョーカーの頭の上に付いたのは、ネコ耳だった。
「・・・なんですか?これは」
【それは、ネコ耳と言う物です。どうです?撮りがいが有るでしょう?】
「さすがだよ、RD!!可愛いよ、ジョーカー君!!」
クイーンの撮影はヒートアップ。
一時的に固まっていたジョーカーだが、事態が飲み込めてきて顔が赤くなる。
「照れ顔ネコ耳ジョーカー君、激写!」
「や、止めて下さい!!」
カメラを奪い返そうと、右ジャブをだすジョーカー。
その手を簡単にさばき、スタコラサッサッと逃げるクイーン。
「クイーン!」
――頭のネコミミを外したら良かったのに。
とRDは思うのだが、今の気持ちはクイーンと同じなので、黙っておく事にした。
☆
数日後、山奥の家に一通の手紙が届いた。
その手紙を受け取ったヤウズと帝王は、中に入っていた写真を取り合ったそうだ。
††††††††
・・・何でしょう、これは!
意味不明な文が出来上がりましたw
ある意味ジョーカー総受けみたいになりましたねw
最初はクイジョだったのに・・・。