Tales of Vesperia〜Une histoire irreelle

□ハルルへの道
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「だから、なぜに通さんのだ!魔物など俺様がこの拳でノックアウトしてやるものを!」
「まだ魔物の残党が残っている!安全が確認できるまで砦は封鎖する、それが騎士団の決定だ」
 どうやら、"ギルド"ともめているようだった。
「この様子じゃあ、門はくぐれないね」
「そんな!フレンが向かった花の街ハルルはこの先なのに…」
「騎士に見つかるのも面倒だ。別の道を探そう」
 と、少し歩くと、赤い髪のお姉さんに呼びとめられる。
「ねえ、あなたたち。私の下で働かない?報酬は弾むわよ」
「え、僕もかい?」
 と、聞くと、お姉さんはにこりと微笑む。
 其れを見て、フェリアは深いため息をつく。
「名乗りもせずに金で釣るのがお姉さんの礼儀なのかな?えへへ、勉強になったなぁ」
 フェリアは、ニヤリ。
 と妖しい笑みを浮かべて、腕を組む。
「貴様!」
「なんだよ」
 お姉さんの隣にいた男とフェリアはにらみ合う。
 それを、お姉さんが止める。
「予想通り面白い子ね。私はギルド『幸福の市場[ギルド・ド・マルシェ]』のカウフマンよ。商売から流通までを仕切らせてもらってるわ」
「ギルド…」
 と、フェリアが考え込むと、急に地面が揺れ出す。
「わたし、今、困ってるのよ。この地響きの元凶のせいで」
「ねぇ、これってやっぱり、魔物の仕業なの?」
「ええ、平原の主のね」
「平原の主…やっぱり……」
「平原の主?」
「魔物の大群の親だまよ」
「すごいもんも居たもんだな…」
「あの、別の道で平原を越えられませんか?急いでるんです」
「さぁ、平原の主が去るのを待つしかないんじゃない?」
「そんな…」
 だが、フェリアはカウフマンを見つめる。
 エステルは諦めたのか、どこかへ行く。
「お姉さん。本当に知らないの?知ってるんじゃないのかな?」
「…此処から西。クオイの森に行きなさい」
「ありがとね、お姉さんっ」
 にこっと笑うと、フェリアはユーリの手をひいて、エステルのもとへ行く。

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