Tales of Vesperia〜Une histoire irreelle

□帝都出発準備
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「こんなところにも、魔物がいやがるのな」
「これが魔物…」
「見たこと無いか?」
「えと、あの…」
 エステリーゼが返答に戸惑っていると、魔物がこちらの存在に気付く。
「…っと、ちゃちゃっと片付けますかっ」
「ユーリ、前方にもう一匹!」
 フェリアが、ザッと音をならして、本を取り出す。
「ちっ、厄介だな!」
「えいっ!」
 エステリーゼが、前方の魔物に剣を振る。
 その攻撃は魔物のとこを化するが、そのすきにユーリがそれを斬る。
「よしっ、まずは一匹!」
「はぁっ!」
 フェリアが、くるっと一回転すると、何処からか薙刀を取り出し、もう一匹を一瞬で斬り捨てる。
「どっから出したんだよ…」
「もちろん、分解してあったものを繋ぎ合わせたに決まってるじゃないか」
「…すごいです。フェリアさん…」
「ま、こんなもんか」










 そして、魔物を斬り伏せつつ、先に進むと、上に続く梯子が有った。
「これ、地上につながってるかな?」
 三人はゆっくりと梯子を登っていった。
「おわっ、まぶし…」
「あ〜あ、もう朝かよ。一晩無駄にしちまったな」
 ユーリがやれやれと、首を横に振る。
 フェリアはきょろきょろとあたりを見回した。
「にしても、貴族街につながっていたんだね」
「窓から見るのと、全然違って見えますっ」
「そりゃ大げさだな。城の外に来るのが、はじめてみたいに聞こえるぞ」
「そ、それは…」
「ま、お城にすむお嬢様ともなれば、好き勝手に出歩けないか」
「は、はい。そうなんです」
「ま、とりあえず脱出成功って事で」
 と、ユーリは右手を掲げる。
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