Tales of Vesperia〜Une histoire irreelle

□女神像の下
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「……女神像の話しに賭けて、さっさとおいとまするか」
「そうだね。長く居たら、騎士に気付かれちゃうかもしれないからね」
「あの、ユーリさん」
 ピンクの髪の少女は不安げにユーリを見つめる。
「分かったよ。ひとまず城の外までは一緒だ」
「はい、あの、わたし、エステリーゼっていいます」
「んじゃあ、エステリーゼ、急ぐぞ」
「宜しくね、エステリーゼ」
「待って下さい、ドア直さないと……」
「んなことしてる場合じゃねぇだろ!」 
「でも……!」
 胸の前に手を置いて、小さく一歩出る。
 ユーリは、はぁ。
 とため息をつく。
 フェリアとシェリアはあはは…と苦笑いする。
「…しゃあねぇな。待ってな」
 と言って、ユーリはしぶしぶとドアを立て直す。
「綺麗に直ったね…」
 ほほぉ…。と見とれるように、フェリアはドアをマジマジと見る。
「ほらよ、さ、行くぞ」
「は、はい……!」
 廊下を少し進むと、ざわざわと騒がしいので、下を見る。
 下では、騎士が右往左往と騒いでいるようだった。
「……さっきの連中のせいか、これ……?」
「ユーリのせいになってないと良いね」
 フェリアは、ユーリを見て、にこりと笑う。
 一方エステリーゼは少し不安そうな顔をする。
「ケガ人が出てなければいいけど…」
「騎士団も自分たちの身くらいはちゃんと守ってんだろ」
「…そう、ですね」
 と、エステルが返事をした直後、出甲斐どなり声が響く。
「ユーリ・ローウェル!どこに逃げおった!!」
「ほら、元気なのが来たぞ。この声、ルブランだな」
「あの……お知合いなんですか?」
「ま、ちょっと前にな。…っと、そんなことより急ぐぞ」
 と、フェリアとユーリがあるき出して、エステリーゼはその後についていこうと、一歩踏み出すが、ドレスのスカートに躓いてしまう。
「その目立つ格好も、どうにかした方が良いな…」
「着替えならこの先の私の部屋に行けば…」
「じゃ、そこまでいくぞ」
 


〜エステルの部屋の前

「ココが私の部屋です。着替えてきますので、少し待っていてください」
「わかった。手短にな」
「じゃあ、僕は周りをみはっておくね〜」
 とてて。
 フェリアは小さく走る。
 バタン。
 ドアが閉まると、ユーリは何を思ったのか、エステリーゼの部屋の扉の前に歩を進めた。
 だが、急にドアが開く。
 そして、エステリーゼは、扉の目に、剣をさす。
「念の為…」
「心外だな、覗く訳ないだろ」
「フレンから、『会ったら用心するように』って、言われてますから」
 少し笑ったエステリーゼが、ドアを閉める。「余計なこと吹き込みやがって…」



〜数分後

「お待たせしましたっ」
 エステリーゼがゆっくりとドアをあける。
 それに気がついたフェリアが、エステリーゼのもとへ歩いて来る。
そして、エステリーゼは、くるんと一回転して見せた。
「あ、あの……おかしいです?」
「……いや、似合ってねぇなと思って」
「そうでしょうか?」
「大丈夫だよ、似合ってるから」
 フェリアがユーリの反応に苦笑いしつつ、エステリーゼをホロウする。
「そして、エステリーゼは二人に歩み寄って、両手を差し出す。
「何、これ」
「宜しくって意味です」
 ユーリとフェリアは顔を見合わせて、一拍おいた後、どうじにエステリーゼの手を取り、握手をした。
「んじゃ、行くぜ」
「はい!」
「らじゃ〜」
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