長曽我部
□にゃんにゃんの日
1ページ/1ページ
............
「元親ー」
「なんだー…って、何それ」
「カチューシャ」
俺は彼女が手に持っているそれに視線を落とす。
カチューシャ、いや、カチューシャには変わりねェけど…
「…それ、猫耳カチューシャだろ」
「ご名答さまオメデトー!
正解したあなたにはもれなくこの猫耳カチューシャをプレゼントします!はい屈んで屈んでー…」
「いやいやいや!?もれなくじゃねーよ!何さりげなく付けさせようとしてんだよっ」
「え、なんでって…
今日は2/22、にゃんにゃん猫ちゃんデーだからに決まってるでしょ!」
「知るかッ!つーかそんなこと聞いてねぇえ!!
何『してやったり』顔してんだ!
なんで俺なんだよってことだ!」
そういうのは真田が担当だろ!?←
俺がいつにも増して激しくツッコむと、七海は唇を尖らせた。
指先で猫耳をふにふにしながら、ぶつくさ文句を言う。
「幸村にはもうやったし」
「事後だったよ…」
「三成に付けさせるのには苦労したわ、まったく」
「三成まで巻き込んだ!?」
「あとの野郎共に付けても可愛く無いだろ」
「それは俺にも該当するだろ…」
元親はいいんだよ、私の恋人なんだから!
どやっと七海が胸を張って力説する。
何がいいんだかわからない、つかわかっちゃいけないする気がするが。
けれどつまり、それは
自分は彼女にとっての特別枠であるということで。
内容が内容なだけに、
こんなことで内心優越感に浸っている自分は
彼女に盲目であることを実感する。
ついには頭を下げて頼み込む彼女を見遣り、はぁとため息をついた。
七海も七海だけどよ
俺も、相当だ。
「だからさお願い元親…」
「…しゃーねェなあ、少しだぜ?」
「!!」
やりぃ!
パチンと指を鳴らせて
先程とは打って変わって喜ぶ七海。
そして俺を屈ませて、カチューシャを頭につけようと背伸びをした。
「その代わりだ」
「え?」
「これ付けたら、次はアンタの番だぜ」
たっぷり鳴かせてやるから、
覚悟しとけ?
いくら可愛い彼女だとしても
躾は必要ってな
俺が不敵に笑んだときには
頭にそれが付けられていて。
彼女がヒクリと笑った気がした。
『にゃんにゃんの日』
そういう意味だろ?
*
遅れて投下…行事に上手く乗っかれない(^P^)←
2/24