続編1

□神様
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「今頃、あちらの世界で頑張っておられるのでしょうか」



主に家事?←


佐助さんがよく

「あの人らは忍使いが荒い!ってか忍の仕事は家事じゃないっつーの、まったく…」

と、よく愚痴をこぼしておられました。

戦忍の仕事については何もおっしゃっておられなかったので……

いや、本業内容の口外はご法度なだけだったのかもしれませんが。


どちらにせよ、佐助さんの居場所はあちらの世界であることに間違いはありません。それは当然なのです。

それに案外、こちらの世界のことはすっかりさっぱり割りきっておられるかもしれませんし…



……私、嫌な子ですね、うん。







『ほんとーにやな子だね、君って!』



「ですよね………ん?」



『考え方が暗いんだよ君、ちょーじめじめ!もっとさ、明るくはっぴーに行こうよ』



「……」





何です、この声?

とうとう幻聴まで聞こえ始めちゃったのですが。




『ほらそこ、逃避しちゃいかんよ!幻聴でも妄想からくる病でもないから!』


「むしろ向き合った方が逃避のような…」


『酷い!』


「と言われましても、非現実的ですし…」


『ゲームのキャ
ラクターが君の家に転がり込んでくる方が非現実的じゃん』


「た、たしかにそうですが……」




私はこの謎の声に終始うろたえます。


なんでしょうか、この声は。

頭に直接響くそれは、声変わり前の男の子のようです。
姿は見えませんが、なんとなく半ズボンが似合いそうな…




『なに君、実はショタコン?やだー僕困るっ!』


「私の方が壮絶に困る勘違いですよ…」


『たはー、優季ってば冗談真に受けちゃって可愛いんだ!』


「…はあ」




この子、テンション高いですね。
というか何故私の名前を知っているのですか…不思議くんです。


…ふむ。しみじみと思ったのですが、最近の子供はみんなこんなに元気でよく喋るんでしょうかね?

私、ついていけそうにありません。




『子供扱いやめてよねー、これでも2000年は生きてるんだからさあ!』


「嘘つきは泥棒の始まりですよ」


『そこ!ありきたりな説教しなーい!神様なめたら天罰下るぞー』


「お巡りさん、こっちです」


『ぎゃああっ呼ぶなあ!』




ノリノリですね、楽しいです。←


それにしても、この子は本当に神様なのでしょう
か。

姿が見えない時点で普通じゃないのは明確ですが、私の幻聴にしてもあまりに激しすぎるような…なんて考えたらキーキー声が頭に響いて辛いんですよね。


考えられたのは幽霊…とか、テレパシー?それとも本当に神様なのか。




『信用してくれないの?僕悲しいなあ』


「声のトーンが嬉々としていて説得力に欠けていますよ」


『がーん!』



それを口で言うから説得力が…まあいいんですけどね。


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