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□金色の景色〜第1章〜 「始まりの特急列車」 『不思議な繋がり』
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その頃、1人の少女が空いているコンパートメントを探して、車両をウロウロしていた。

『どうしよう・・・・・・。どこもいっぱい』

膝ほどまでもある蜂蜜のような金の髪を揺らし、子犬のようにまん丸でくりくりとした、夕日の金色のもやのような甘い瞳を、不安げにキョロキョロとさせながら、少女はウロウロと歩き回っていたが、あるコンパートメントの前で立ち止まった。

そこは最後尾の車両近くで、くしゃくしゃの黒髪に、眼鏡の男の子が1人で座っていた。

『どうしよう、他に待っている人いるかな・・・・・・。でも、他に座れるところないし。うぅ、取り敢えず頼むだけ頼んでみよう』



コンパートメントの戸が開いたのを感じたのか、
男の子は、外に向けていた目をこちらに向ける。

「あ、あの・・・・・・ここに座ってもいい?他のとこ、空いてなくて・・・・・・」

その男の子はすぐに頷いてくれた。
何故か少し顔が赤い。

「ありがとう!」

了承してくれたことに安心して、トランクを客室の隅に収めて、大切な友達である、ふくろうの撫子を荷物棚に上げた。

「・・・・・・君も新入生?」

席に腰掛けたところで、
不意に男の子が話しかけてきた。
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