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□金色の景色〜第1章〜 「始まりの特急列車」 『新たな一年』
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9月1日のキングズクロス駅、
隠された9と3/4番線ホームは、紅色の蒸気機関車が、人々の賑やかな喧騒の中停車していた。
ホームの上には、
『ホグワーツ行き特急
11時発』と書かれている。
人々のおしゃべりやふくろうのホーホー鳴く声、
トランクのガラガラと行き交う音で、ホームは溢れかえっている。
そんな中、1組の家族が別れを告げようとしていた。
「では、いって参ります。父上、母上」
滑らかなプラチナブロンドを何故かオールバックにし、青白い肌と尖った顎を持った少年は、
先の台詞をその年頃には似つかわしくない、少し気取った調子で言った。
「ドラコ、お前に限って無いと思うが、分かっているな。我が家は、代々続く由緒正しい純血の一族だ。その血を汚すようなことは、くれぐれもするな。勿論寮はスリザリン以外あり得ん」
「はい、勿論です、父上。ご期待に添えるように努力します」
そっくりな容姿をした親子は、その言葉に多くの意味を込めて言い交わした。