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□金色の景色〜プロローグ〜 『僕のさいわい』
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ちぃは、僕にとって唯一で最大の幸いだった。

君によって救われたものが、どれほど多いことか。

君は、
僕のたった一つの光で、
一輪の花で、
希望であり、
将来であり、
夢であり、
理想であった。


可憐で、繊細で、ほっとけなくさせるくせに、
本当は誰より強くて、その細い腕で、どんな悲しみもつらさも、憎しみや絶望でさえも、抱え込んで浄化してくれるんだ。

君が笑うと、
世界はキラキラ輝いて、優しい色で溢れていく。


・・・・・・ちぃが愛しい。
たまらなく、
とてつもなく、
こんなにも。

こんな僕に、
君は「好き」だと言ってくれる。
笑いかけてくれる。

僕は未だ弱いままで、もう二度とあの柔らかい金色の光の中には、戻れないだろうけれど。
僕の今の居場所は、血の臭いの立ち込める、暗い醜い闇の中だけれど。


それでも、それでも僕は−−−。

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