ずっと一緒に

□マネージャー
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白「ってなわけで、今日からマネージャーになる俺の妹、白石明日香と忍足香耶や!」
『よ、よろしくお願いします』
「よろしくお願いします」



なんか部員が多いような気がするんだけど、気のせいじゃないはず。



『お兄ちゃん、こんなに部員いたっけ?』
白「今朝新入部員が俺のギャグに惚れた言うて入部したんや」
『へ、へぇ…』



まさかあのエクスタシーの事?…それ以外ないか…



香「それじゃ早速仕事に取りかかりましょ」
『まずはドリンク作りからね』




―――――――
―――――
――




『分量は…これぐらいかな』
香「手慣れてるわね」
『あはは…まぁね』



昔からこういうのは得意だったんだよね。



『私ボール拾いするから、後頼んでいい?』
香「えぇ」



さて、ボール拾いしますか…
てかボール落ちすぎだよ。誰も拾わないのかな。



「ちょっといいかしら」



私がそこら中に落ちているボールを拾っていると、長身で綺麗な人が話しかけてきた。



『私ですか?』
花「えぇ、私はテニス部部長3年の御堂花蓮」
『あ、私は…』
花「白石明日香でしょ?知ってるわ」
『え、なんで…』
花「僅か6歳で中学新人戦優勝。だれだって知ってるわよ」



まさか私の事を知ってる人が居たなんて、思いもしなかった。



『それで、私になにか』
花「何でテニスを辞めたの?」



御堂先輩、痛いとこついてくるな…
そんなストレートに聞かれると少し戸惑う。



『関係無いじゃないですか…』
花「そう。では明日香さん、女子テニス部に入らない?」



トクン…



花「あなたの実力なら十分全国で戦えるわ」
『…すみません、もう一度テニスをやる気にはなれないんで』



私は御堂先輩に背を向けて立ち去った。

テニス部に入らないかと言われて、自分の中で何かが変わろうとしていた。
それが怖くて私は先輩から逃げた。



花「諦めないわよ。今年こそは必ず頂点を取る…」




―――――――
―――――
――




香「お帰り、明日香」
『うん、ただいま…』
香「ん、何かあった?」
『うぅん。何でもない』



そろそろ部活も終わる時間。
私は部活の片付けを始めた。



白「今日はここまで」



お兄ちゃんの呼びかけで今日の部活は終了した。



白「明日香、俺が着替えるまでちょっと外で待っとれや」
『うん!』
香「私は先帰ってるから」
謙「おん」



香耶も帰ってしまい、私は1人で部室前でお兄ちゃんを待っていた。



『あ……』



私が1人で待っていると、御堂先輩とその他の数人が私の少し前を通ろうとしていた。



花「!…フッ…」



御堂先輩も私の存在に気づいたらしく、こちらをみてフッと微笑み、そのまま通り過ぎていった。



白「すまん、時間かかってもうた」
『大丈夫だよ』



そして私もお兄ちゃんと一緒に家へ帰った。
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