series

□前編
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夢主はセイバーです。
(剣使う種族)
前編は名前変換無いです。後編が本編っぽい。
本当にごめんなさい。
















家のために、というのが周りの大人たちの口癖だった。




「貴女が私のマスターか」

あまり歳の変わらない少女が座り込んだ私を見下ろすようにして言う。

「そう、よ。私が貴女のマスター…」

自分を見つめる彼女の姿は、どこか神々しくあった。
これが英霊かと、嘆息する。
彼女の問いに答えると、見下ろすだけだった彼女は私の前で方膝をつき、口を開く。

「私のクラスはセイバー。貴女と共に闘うことを、我が劔に誓おう」

そこまで言うとセイバーはいつまでも座り込んでいる私の手を取り、その小柄な体からは想像できない強い力で私を意図も容易く立ち上がらせた。

「それでは、今度はマスターの名前を聞こうか」
「桃井さつきよ、よろしくね…それで、貴女の真名だけれど…」

戦うにあたって、情報とはとても重要だ。サーヴァントの本当の名前がバレてしまうと敵にどんな獲物を使うか、簡単に知られてしまう可能性がある。
全部は無理かもしれないが、早い内に情報をなんとかしておきたいのだ。

「真名か…マスターが私に相応しいと思えるまで待ってもらいたい」
「それ、どーいう意味よ」

セイバーの意味ありげな言葉にじとっとした視線を送るが、彼女は全く気にならないような素振りでただ笑った。
礼儀正しいのか、そうでないのか。よく分からないサーヴァントだ。

「マスター、差し支えなければ貴女が聖杯に何を望むのか聞いてもいいだろうか」
「……一族…家の為、だけど」

自分で言った願望に、本当にそれが願いなのかと、誰かが耳元で囁いた気がした。
セイバーは自分で言ったのにも関わらず興味無さげに、そうか、と呟いた。

「もうっ、さっきから何なのよ!」
「すまない。馬鹿にしているとか、そういう意味ではないんだ。ただ…そうか、家か……」
「文句でもあるの?」
「いいや、文句はないよ」

唸るものだから何か文句があるのかと聞けば無いと言う。これから共闘していかなければならないパートナーだというのに、もうセイバーのことが分からない。
先が思いやられる。

「まあ、何であれこれから一緒に闘うんだ。よろしく、マスター


癇に障る言葉とは裏腹に、その笑顔は晴れ渡る空を思わせた。


───────
誰得すぎて申し訳ないです。
それでもやりたかったんです…
次は一気に話が飛びます。
前編は名前変換ありません、ごめんなさい…!
後編はちゃんとあります。

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