NARUTO「カカナル」novel
□想い
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カカシside
分かりきっていた。ナルトが俺の中で特別な存在になる事なんて。
「ナルト・・・」
初めてナルトが俺の前で笑ってくれた時は思わず抱き締めそうになった。
日々、伝えられない思いを抱いている俺はもう爆発寸前・・・。
いっその事この思いを伝えて振られてしまおう・・・そう思い任務上がりのナルトに声を掛けた。
「なんだってば?カカシ先生」
「その、少し時間あるか?」
「あるってばよ?」
珍しく俺に声を掛けられた事を不振に思ったのか怪訝な顔つきになっているナルト。でも、そんな事を気にしている余裕は今の俺には無い。
「取り敢えずさ・・・場所移動しても良い?」
「えっ?あ、うん。ドコ行くんだってばよ?」
「・・・俺んちに移動しても良い?」
他に人が居なくて、ちゃんと話せる場所・・・。
「・・・うん」
「じゃあ、行こうか」
ナルトと2人並んで歩く。まだ、12才のナルトに合わせてゆっくり。
─────カチャ。
小さな開錠音が誰も居ない廊下に響き嫌でも緊張してしまう。俺はこんなに臆病だったか?
「どうぞ」
「お邪魔しますってばよ」
ドアを開けてナルトを入る様に促した。緊張で声が震えてしまわない様に気をつけながら・・・。
「カカシ先生んち初めて来たってばよ!」
「そ?ココアで良い?」
「うん!」
台所でナルト用のココアを入れて自分の分の珈琲も入れる。チラリと後ろを振り返ればチョコンとソファに座ってキョロキョロしているナルト。
「はい。熱いから気を付けてね」
コトンとテーブルの上にココアを置いて自分は立ったまま珈琲を飲む。
「ありがとってば!で、先生話ってなんだってばよ?」
「・・・・・・っ」
いきなり本題を振られて柄にもなく動揺してしまう。でも、ここで話さなければ先には進めない。元々玉砕覚悟なんだからと・・・1つ深呼吸をする。