NARUTO「カカナル」novel

□寒い日
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ここはナルトのアパート。本日任務は雪でお休み…。

「さ…寒いってばよ;;;」

ナルトはすきま風の吹き抜けるアパートの部屋で布団にくるまりガタガタと震えていた。

「あ〜やっぱり灯油買っとけば良かった〜ι」

つい先日買い置きの灯油を使いきり、まだ、ストーブに満タンに入ってるからと、ほったらかしにしていたのだ。

案の定、今日の様に寒い日に震えるハメになっていた。

(今日みたいな時に買いに行っても売ってくれないだろうな…)


里の人々から『化け物』と言われ嫌われている自分には、こんな寒い日に灯油を売ってくれる店は無いと分かりきっていた。

(買いに行かなかった自分がいけないし…仕方ないってば…)

そう思い込み益々布団にくるまる。
と、その時

――――コンコン。

小さく窓を叩く音がした。

「ナ〜ルト、寒いから早く開けて?」

「せ、先生!!何してるんだってばよ!?」

窓の外枠にしゃがみ込み寒そうにしているカカシに慌てて窓を開けた。

「よっと、あ〜寒かった」

ナルトのベッドを飛び越えてトン…と部屋へ入って来た。

「何しに来たんだってばよ?」

「いや、任務帰りだったんだけど…寒くてさ、ナルトのアパートが近かったからお邪魔しちゃった」

グルリとアパート内を見渡すと持っていた買い物袋を置いた。

「…残念だけと、うちじゃあ暖まれないってば」

ポツリと呟きダイニングテーブルの椅子に座ったナルトに向き直るとニコっと笑った。

「だいじょ〜ぶVvちょっと台所借りるよ〜」

そう言うなりガサガサとビニールを漁り何やらコトコトと作り始めた。

「はい」

「?」

コトリとテーブルに置かれたのは暖かそうな湯気を立てる甘酒だった。

「これ、なんだってば?」

コップを指差してナルトが聞く。

「甘酒」

「甘酒?」

「暖まるから飲んでみな」

そう言うと自分もナルトの座る向かい側に腰を降ろした。

「美味しいってば!!」

「そ?良かった」

熱々の甘酒をフウフウと少し冷ましながら美味しそうに飲むナルトに口許に笑みが浮かぶ。

「先生、わざわざこれの為に来てくれたんだってば?」

「……さぁね」

自分の分の甘酒を口に運びながら視線を反らした。

「ありがと」

カカシの何気ない行動が嬉しい…1人で寒さに震えていたのが嘘の様にほんわり温かくなってくる。


カカシもまた嬉しそうに、はにかむナルトを見ているとさっきまでの任務で荒んでいた心が穏やかになっていくのを感じる。
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