NARUTO「カカナル」novel
□バレンタイン
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本日はバレンタイン…木の葉で1番大きなスーパーは殺気立つ女性の群れてごった返していた。
「ちょっと!そのチョコは私が取ったのよ!!」
「何言ってるのよ!先に取った人の物に決まってるでしょ!」
「あっ、ちょっと!こっちに寄越しなさいよ!」
「嫌よ!」
ギャーギャーと騒ぎながらチョコの奪い合いをする姿に恐怖すら感じる。
そんな時、1人の金髪碧眼の可愛い男の子が現れた。
(こ、怖いってばよ…ι)
そう、木の葉のドタバタ忍者のナルトだ。
ナルトは最近女性や男性に隠れた人気があった。
「あら、うずまきじゃない?どうしたの?」
チョコの特設売り場を目の前に呆然と立ち尽くすナルトにアスマ用のチョコを買いに来た紅が話し掛けてきた。
「あ、紅先生…ι」
助けを求める様に見上げてきたナルトに思わず
(か、可愛い〜〜////)
「やっぱり、帰るってばよ」
心の中で悶絶していた紅はナルトを凝視していたのだ。男の癖にチョコ売り場に来た事を何か言われると思ったナルトは視線に耐えきれなくなり、その場を後にしようとしてしまう。
「あ〜、待った待った!うずまき!カカシにあげるチョコ買いに来たんでしょ?」
パシッと手を掴み此処に来た経緯を察しているとナルトに話した。
「うん…ιでも怖くてあの集団に入れなかったんだってばよ」
チラリと視線を集団に向けると殺気立つ女性達かにブルッと身を震わせた。
「あ〜…ιそうねι確かにあの雰囲気は怖いかもしれないわ」
「………どうしよう;;;」
ウルウルと瞳を潤ませ見上げる姿は壮絶に色っぽかった。
(男の癖にこの色気はなんなのよ!カカシには勿体ないわ!)
「ねえ…うずまき、チョコ買って来てあげようか?」
「本当だってば!?」
「良いわよ〜♪その代わり…」
ニコリと笑った紅にヒクリと頬をひきつらせるが、あの集団に入る勇気は出なかった。
(うう…ι嫌な予感がするってばよ;;;でも、あの集団には入れないってばι)
「な、なんだってばよ?」
「そんなに怯えなくても大丈夫よVv買ってくるから、どんなのが良いの?」
「えっと…中にお酒の入ってるヤツが良いってばよ」
ハッキリと口にしてくれない紅に益々嫌な予感は膨らむが、希望のチョコを告げた。
「ああ、ウイスキー?焼酎?日本酒?どれが良いの?」
「えっ!?そんなに種類有るんだってば!?」
てっきり一種類だと思っていたナルトは焦った。カカシの好みが分からない。
「そうよ?まぁ、カカシなら日本酒が良いんじゃない?」
ナルトの慌て振りにカカシの好みが分からないと感ずいた紅は日本酒を提案してきた。
「じゃ、じゃあ日本酒のヤツお願いするってばよ」
「日本酒ね」
ちょっと待ってなさいね、と紅は殺気立つ集団の中へと入って行った。
(あの中に入れるなんて凄いってばよ…ι)
呆然と立ち尽くすナルトに戻って来た紅は箱を手渡した。
「はい、チョコレート」
「ありがとってばよ!」
目的のチョコを確保出来た事が嬉しくてニコニコするナルトに紅は
「じゃ、こっちにいらっしゃいVv」
とナルトの手を取り自宅へと向かうのだった。