NARUTO「カカナル」novel
□ナルトの誕生日
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10/09・・・。明日はナルトの誕生日だ。
俺は今夜からナルトと一緒に過ごすと決めていた。
「ナァ〜ルト。報告書出して来るから待っててね〜。一緒に帰ろ?」
金の髪の毛をクシャリとひと撫でして笑いかける。
「帰りに一楽奢ってくれんなら良いってばよ?」
ニシシ〜と笑いながら嬉しそうにしているのを見ると、俺も頬が緩んだ。
「もちろん。良いよ〜。その後は、俺の家に来るんデショ?」
そう言った俺の言葉に、ナルトの顔が少し強張っている。
「先生。やっぱり俺帰るってばよ・・・。」
「何で?一楽行かないの?奢るよ?」
「一楽は行きたいけど・・・。」
「じゃあ、行こうよ。報告書出して来るから待っててね?」
そう言ってナルトの返事も聞かずに報告書を出しに行く。ナルトの考えてる事が分かるだけに いたたまれない気持ちになってしまう。
『今夜から、泊り込んでしまえば明日はナルトの誕生日は一緒に居られるでしょ・・・。ナルトの考えてる事は分かるけど、ナルトの誕生日とは別の話だよ・・・。』
急いで報告書を出して、ついでに綱手様にも明日はナルトと1日居たい事を伝える。
綱手様は、二つ返事でokをくれた。しかも、ナルト用にプレゼントまで、渡されて。
「お待たせ〜。じゃあ一楽行こっか?」
急いで戻って来るとナルトは複雑な顔をして待っていた。
「先生・・・。やっぱり俺・・・。」
「いいから。行こうよ。お腹減ったでしょ?」
手を握り一楽までの道を歩いていく。
「へい!らっしゃい!おっ!ナル坊!カカシ先生とデートか?」
カカシ先生との関係は、もう里の中でも公認になっているので、こうしてたまに からかわれてしまう。
「〜〜〜っ///」
「そうなんですよvv」
「カカシ先生!!恥ずかしい事言うなってばよ!!」
バシバシと先生を叩きながら席について味噌ラーメン大盛りを頼んだ。
「お待ち!明日はナル坊の誕生日だろ?チャーシューと煮卵はサービスだ!」
「ありがと!おっちゃん!」
「いいから!早く喰いな!」
微笑ましい光景に自然と穏やかな気持ちになってくる。
「カカシ先生!ごちそうさまだってばよ!」
「どういたしまして。」
「じゃあ。またな!先生!」
帰ろうとしているナルトに内心焦る。
「帰るの?何で?俺ん家行こうよ?明日は休みデショ?」
少し強引に手を引っ張りながら自宅までの道を歩いていく。
家に着いてもナルトは俯いたままソファーに座っている。
「ナルト。何か飲む?それともお風呂に入る?」
「・・・。先生やっぱり俺・・・」
「帰るって言葉は聞かないから。」
ばっと顔を上げ睨んでくるナルトに
「何でそんなに帰りたいの?俺とは居たくない?」
「そんな事ないってば!でも・・・。」
「明日はナルトの誕生日デショ?一番におめでとう言いたいの。」
優しく髪を撫でながら自分の方へ引き寄せると抱き締めた。
「だから帰りたいんだってばよ。明日はお祝いなんかしちゃいけないんだってば。」
「なんで?誕生日にお祝いしちゃいけないの?」