NARUTO「カカナル」novel
□赤い花びら
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朝…ふと隣を見ると気持ち良さそうに銀髪の恋人がスヤスヤと眠っている。
『カカシ先生ってば全っ然起きないってばよ』
爆睡している恋人の頬を指でつついてみても目を覚ます気配すらない。上忍が爆睡しているのは どうかと思うが、自分と居て安心してくれていると思えば嬉しい事だと口元が緩んでしまうのは許して欲しい…。
緩んでしまう口元をペチペチ叩いていると、逞しい腕が布団から這い出てきて、いとも簡単に布団の中に引きずり込まれてしまった。
「おはようのキスは?」
「!?カカシ先生起きてたのかよ!?」
「寝てたょ〜」
「はい!それ嘘!」
ナルトはカカシの腕から逃れようと、もがいているが、成長したとはいえ まだまだカカシとの差があるので いとも簡単に押さえ込まれてしまう。
「明日は任務ナイんだし、ゆっくりイチャパラしようよ。ナァ〜ルト」
「嫌だってば!今日は天気も良いし、家事をしたら修行に行くんだってばよ!」
「え〜?良いじゃない。久し振りに休みが重なったんだから、イチャパラしようょ〜」
「…。先生とイチャパラしてたら、俺ってば途中から 頭真っ白になるから…。折角休みが重なったんだし、覚えてないのは嫌だってばよ…。」
カカシの胸元に額を押し付けながら ボソリと呟いた。耳まで真っ赤になるナルトを見てカカシは愛しい気持ちを募らせていく。
「……っっっ!ナルト!お前可愛い過ぎ!堪んない!」
可愛い!愛してる!と告げながらカカシは愛しいナルトとイチャパラするべく、ナルトを組み敷いた。
「そんな事言われたら余計に抱きたくなっちゃうデショ?」
「…。どーせ嫌だって言っても止める気ないだろ?一個条件飲んでくれんなら、いいってばよ?」
「いーよ?なぁに?ナァ〜ルト?」
自分で言っておいて あの…。その…。と真っ赤になりながら言い淀っている。
「なぁに?ナァ〜ルト?恥ずかしがってないで言ってごらんよ?」
「…。あんね…?せ…先生にキスマーク付けても良いってば?」
「キスマーク?そんな事で良いの?でも、ナルトは自分に付けられるのは嫌がるよね?あれは何で?」
イチャパラする度にキスマーク付けても良いかと聞いてはダメと言われ続けてきたカカシは意外と悩んでいた。
「…っ!あっあれは!」
「うん?」
「怪我とかアザとかはスグに治しちゃうクセにキスマークだと九尾の奴ってば、中々消してくれないんだってばよ…///。だから、一度付けられた時に気がつかなくて任務の時にサクラちゃんに見られて…メチャメチャ恥ずかしかったんだってばっ///」
だから、嫌だったんだってば。と真っ赤になるナルトは凶悪な程可愛い。
「別にナルトは俺の恋人なんだから、キスマークくらい見られても良いじゃないむしろ悪い虫が寄ってこなくて俺には好都合だよ?」
「…だから先生にキスマーク付けたいんだってば。先生ってばモテっから俺のモノってシルシ付けとかねーと心配なんだってばよ!」
「じゃあ、俺もナルトに付けても良い?俺だってナルトが いつ誰かに奪われちゃうかって心配なんだよ?」
「うん。良いってばよ?俺は先生のモノだってば…」
ゆっくりと、ナルトを組み敷きながら2人で甘い時間に浸かってゆく。
それは、日差しが空の真ん中に来るまで続けられた…。
暖かい日差しのなか布団にくるまった2人の体には赤い花びらの様にキスマークが散らばっているのを見て傍らのウッキー君はヒラヒラと嬉しそうに葉をなびかせながら見守るのだった。