NARUTO「カカスレナル」novel
□暗部の節分
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本日は節分の日。
暗部達は恒例の豆まきに集まっていた。
「今年こそは生き残るぞ!」
「負けねえからな!」
「俺だって絶対生き残って総隊長のご褒美キスを貰うんだ!!」
「お前なんかにキスを譲ってたまるか!」
「なに〜!?負けねえからな!」
「俺だって!」
────そう、暗部達の豆まきは少し変わっていたのだ。特殊な豆を使い当たると赤く色が付着し、最後まで豆に当たらず生き残れば暗部総隊長『鷹』のキスがご褒美についてくる。もちろん頬か額にだが…。
「皆さん気合いが入ってますね」
「そりゃ当たり前…!?ふ、副隊長!?」
息巻く皆の後ろから話掛けてきた暗部総副隊長『狼』に驚きを隠せない。
「あ、あの…;;;」
実は仮りの姿だが鷹と狼が恋人同士だと言う事は暗部内では有名な話。
そのカカシの前で恋人であるナルトからのご褒美キスに気合いを入れている場面を見られてしまったのだ。暗部達は恐怖に震える。
「ん?分かってますよ。今日だけは仕方ないです。でも、私も及ばずながら参加しますので…よろしくお願いします」
面を外しニッと笑うカカシは顔は笑っているが、目が笑っておらずかなり怖い…。
(((((こ、怖い;;;)))))
────バキッ!
「こら、狼!お前は俺と一緒に審判だ!」
フワリと音も気配もさせず、現れたナルトにカカシは大袈裟に殴られた頭を擦る。
「痛いよ〜鷹。俺今年も審判なの?たまには参加して鷹からのキス欲しいよ〜」
そう言うなり土煙も立てずフッと姿が消えた。
「「「「「!?!?!?」」」」」
暗部達は驚いているが、1人神経を集中させ気配を伺うナルトは瞬時にカカシの居場所を突き止めた。
「遅い」
────バキッ!
ボソリと呟きカカシの脇腹に蹴りを入れた。
「いてっ!…鷹、少しは加減してよ;;;しかもチャクラ込めたでしょ;;;」
脇腹を押さえ、ナルトを見上げるカカシの姿は本当に痛そうだ。
(やっぱり総隊長は凄い…我らは狼殿の気配分からなかったのに、あんなにすんなりと…)
鷹と狼のやり取りを見ながら狼が審判で良かったと本気で思う暗部達であった。