NARUTO「カカスレナル」novel

□カカシ奪還任務
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ここは火影室。

―――ドゴォォン!!!

凄まじい音と共に火影室の壁に大穴が空いた。

「じゃあ、何かい!!みすみす狼を敵に捕らわれたってのかい!?」

火影の怒号が響きその場に居た暗部と上忍達は竦み上がってしまった。


その時、音もなく1人の暗部が綱手の前に降り立った。

「はぁはぁっ!綱手っ!狼が捕らわれたって本当かっ!?」

「鷹っ!お前、任務はどうした!?」

珍しく息を乱し綱手に詰め寄って来たのは暗部総隊長の鷹ことナルトだった。

「おわ、終わらせて来たっ!それより、狼はどうなってる!?」

普段冷静沈着な鷹がこんなに取り乱し詰め寄る姿を見た事がない暗部達は動揺を隠せないでいる。

「狼は任務で翡翠の里へと行ってもらったのだが…」

そこで言葉を切ると、後ろに控えていた暗部達を鋭く睨み付けた。

「そこにいる暗部達が狼の命令を無視、作戦失敗、挙げ句にお前達を庇って敵に捕らわれたっ!!」


ダンッ!!と机を殴りつけ怒りを露わにする綱手。

「も、申し訳ありませんっ!!私の部下の管理不届きです!」

カカシとチームを組んでいた忍の上司が頭を下げ綱手に謝る。

「ふざけるな!そもそも狼を隊長に指名したのは私だよっ!文句が有るのなら私に言うのが筋ってもんだよ!」


怒りを露わにし、怒気を含んだチャクラを身体から溢れさせている。

「綱手、俺の編成ミスだ。狼もチームの奴らを見極められなかった。それは狼のミスだ」

「鷹……、お前っ」

「今から狼の奪還に向かう。命令してくれ。」

「だが…「命令…してくれっ!」

ナルトの握り締められた手からポタポタと血が滴り落ちているのに気が付いた綱手は。

「鷹!狼の奪還の為チーム編成を命ずる!準備出来次第出発しろ!!」


「ハッ!」

瞬身で姿を消そうとしていたナルトに「少し待て」と言った綱手は何かを巻物に書き始めた。

「これを持って行きな。お前の事だから、サクラ辺りだろう?」

「………綱手」

そこには、『緊急事態につき、サクラにのみ、鷹の正体、及び狼の正体を明かす事を許可する』と記されていた。

「捕らわれているんだ、変化が解けてしまっている可能性もあるしな。狼は里にとってもお前にとっても必要な奴だからね。無事に取り返してくるんだよっ!!」

「分かった。絶対取り返してくるからな!」


そうして瞬身で姿を消すのだった。


「さて、お前達は命令違反の罰を受けてもらうからね」

その場に残った暗部と上忍に事の重大さを示すのにはナルトの慌て振りを見せれば十分だっただろうが、それでは気が済まない綱手だった。
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