NARUTO「カカスレナル」novel
□初任務
1ページ/5ページ
カカシと同居を初めて一週間が経ったある日。
ピチチチチ……
一羽の小鳥がナルトとカカシの住む家の窓際に降り立った。
「……あ、カカシ、じぃちゃんが呼んでる」
読んでいた巻物からフと窓へと視線を送った。
「ん〜。本当だ。任務かな?」
カカシも視線を窓へと移すとパタンとイチャパラを畳んだ。
「かもな。暗部へ入ってから音沙汰なしの一週間だし、そろそろ任務が入ってもおかしくないしな」
そう言って、支度をするべく立ち上がったナルトに従い、カカシも着替えるべく立ち上がった。
「ナルト。庭に出してある鉢植え中にいれるの?」
「ああ、入れる。任務だったら、家に帰れないかもしれないしな」
「じゃあ、入れてくるからナルトは着替えちゃいなよ」
そう言って、庭へと方向転換したカカシに、
「縁側に置いてくれ」と言って寝室へと姿を消した。
この一週間でナルトは大分カカシに慣れてきたと思う。互いに意識せず…本を捲る音が響く空間に居心地の良ささえ感じる程に。
それは、少しずつナルトがカカシに心を開いてくれている証で…。カカシはそれが嬉しく思う。
「ナルト?入るよ〜。準備出来た?」
先に寝室で準備させていたナルトに向かって自分も入って良いかと尋ねる。
「断らなくても入って構わない。同居人に気を使わせるつもりもない」
「そ?じゃあ、これからは断らないからね〜。いきなり入ってもクナイ投げないでね」
冗談混じりに言いながらカカシがドアを開けると、そこには既に《鷹》へと変化をしたナルトが居た。
「ん〜、もう鷹に変化しちゃったんだ。その姿も良いけど、やっぱり素のナルトのが可愛いなぁ」
スッとナルトの背後に立ち抱き締める。
「……冗談言ってないでサッサと着替えろ」
背後からへばり付いてくるカカシに軽く肘うちをしながら、早くしろと急かす。
「いたた…、ナルト痛いよ。ハイハイ。じゃあ、着替えますか」
大袈裟に痛がりながら渋々ナルトから離れると着替えを始めるカカシをチラリと見て、自分が他人に接触されて平気な事に少し驚いた。
(……ハァ、自分のペースじゃなく、こいつのペースが心地いいと感じるなんて…俺はどうしたんだ?)
考え込んでしまっていたナルトは再び背後に移動してきたカカシに気がつかなかった。
「ナ〜ルトVv準備出来たから行っこかVv」
「うゎっ!?」
自分の考えに没頭していたナルトは突然背後から話し掛けられ驚いてクナイを投げてしまった。
「うぉっ!?危ないでしょ〜!」
……が、そこは腐っても木の葉一番の忍。難なくかわした。
「す、すまん。」
「ま、良いけどね。じゃ、行こうか」
「ん。」
そう言って、二人は火影の下へと向かうべく、死の森を疾走するのだった。