NARUTO「カカスレナル」novel
□ある日の路地裏
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ある任務の帰り道…火影へ報告書を出して、自宅への道を人様の屋根の上を住民を起こさぬ様走っていた。
「……だ…よ!?早……居なく……っ!!」
ふと通りかかった細い路地裏から、何やら不穏な叫び声と共に何かを激しく蹴る音がしてきた。
「お前の面なんか見たくもねーんだよ!早く死ね!」
見ると、大人5人掛かりで『例の子供』に暴行を加えている所だった。
(あ〜らら。何だか変な所に出くわしちゃったねぇ)
ポリポリと頭を掻きながら仕方ない…と助けに入ろうかと思った矢先。
1人の男がナイフを手に持って今にも振り下ろそうかという所だった。
(……!?それは流石にマズいでしょっ!)
考えるより先に体が動くとはこういう事だろう。すかさず、子供と男の間に入りナイフを叩き落と……そうとしたのだが。
小さな子供らしからぬ暗部でさえ、見えたか分からない様なスピードでナイフを叩き落とし、死なす事もなく大人5人を一瞬の内に昏倒させた。
「あんたも…俺を殴りにきたんか?少しなら構わねーけど、度が過ぎたら…容赦しねーからな」
発せられた子供の言葉に衝撃を受ける間もなく、その見事な金髪碧眼に見入っていたのだが。
発せられた言葉に慌てて違うと答えた。
「ちが〜うよ。俺は助けに入ろうと思ったんだけど…必要無かったみたいだね」
「ふ〜ん。俺を助けようなんて、あんたもの好きか、よっぽどの酔狂だな。」
服に付いた埃や泥を叩き落としながら、冷ややかな視線を送ってくる子供に目線を合わせる様しゃがみ込む。
「あのさ、『うずまきナルト』だよね?俺は…事情があって名は名乗れないけど…」
「知ってる。時々部屋の外で、あんたの気配がしてた。気配は物凄く薄くて完璧に消えてたけど。噂に聞く木の葉裏暗部『銀の狼』表暗部と裏暗部で最強の忍びだろ。俺の監視役だしな。」
チラリと視線を向けながら、ドコかに行こうとするナルトを慌てて引き止めた。
「ちょ、ちょっと待った!あのさ、ドコ行くの?傷の手当てとかした方が良くない?」
グイッと腕を引っ張り傷の具合を確かめ様としたのだが…。
傷が……無い。
「……あの人数からの暴行なのに……受け身…取ってたの?」
あの……暴行を加えていたのは中忍か上忍クラスの連中に見えたんですけど…;;;
「ん〜。痛いのはやっぱり嫌だしな。それより離してくんね?流石にじぃちゃんが心配すっから帰りたいんだけど。」
ニィ〜っと笑いながら手を離せと言ってくる子供にゾク〜っと悪寒を感じて慌てて手を離す。
「じゃあな。暗部の兄ちゃん。助けようとしてくれてあんがとな。後、この事他の奴に喋ったら殺すから」
ヒラヒラと手を振りながら瞬身でその場から消えていった。
(〜〜〜!?瞬身!?確かナルトって5才だったよね!?有り得ないでしょ〜;;;)
しばらく呆然とその場に佇んでいたカカシだったが…我に返った。
(〜♪ちょっと、この子良いじゃないVv火影様脅し…いやいや、お願いして俺のパートナーにしてもらお♪)
そして金髪碧眼の可愛い子チャンを追い掛けるべく走り始めるのだった。
(てか…気配薄!ドコ行ったの〜;;)