NARUTO「カカスレナル」novel3

□憩いの場所
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ふらふら…ぱたり…。

そんな表現が適切だろう。覚束ない足取りで俺が座っているソファーの隣へと身体ごと倒れ込んだのは、俺の恋人の『うずまきナルト』だ。今は暗部の任務後の為に『鷹』へと変化をしている。もちろん俺も暗部の待機所に居るので『狼』の姿。

3日前から特SS任務の依頼を受け、颯爽と居なくなったナルトは、俺の心優しい心配の伝達も華麗に無視し続け今に至っている。こんなにも疲れきっているナルトは正直久し振りに見た気がする。


「無差別ねぇ…」

むくりと起き上がるなりこの一言。今回の任務内用は俺も分かっていたが…物騒な事である。

「おー、どっかのバカが自分の気に食わない奴を片っ端から狙ってやがった」

「やだねぇ…」

「しかも中々に鬼ごっこが得意だったみたいでな…」

この3日間を思い出しているのか、苦々しい顔でぼやく。俺もナルトとは鬼ごっこと称した修行をした事があるが…ナルトの追求の厳しさやしつこさには参ったものだった。3日も逃げ続けたターゲットには敵ながら関心してしまう。


「よし、狼!俺を全力で癒せ!」

「は?」

「疲れてんだ、それくらいしてくれ」

少しは恋人を労われと、ナルトの視線が語っている。俺に何をしろと?

「えーと…アメでも食べる?」

「いらねー」

「あ、そうですか…」

珍しく持っていた飴玉をナルトに要るかと聞いたものの、俺の優しさはバッサリと切られてしまった。

「――――こっちの方が良い」

そんな飴玉よりもと、選ばれたのは俺自身で…ガバリと抱き付いてくるのはどうしたものか…。普段のナルトなら絶対にしない行動である。それ程までに疲れているのかと心配になってしまう。だが…ガッシリとホールドされた首が痛い。

「あー…久々の狼だ…。と言う訳で10分後に起こしてくれ」

「確かに狼ですけど!何がどうなって…、て…えっ!?もしかして10分間このまま!?」

「うるさい…黙って俺の癒しになってろ。これが落ち着くんだ」

もぞもぞと人の身体で居心地の良い場所を探しているナルトは暫くすると、抱きついたままの格好で肩に頭を乗せる形で落ち着いてしまった。

この疲れ切った恋人の憩いの場所を作るべく、今、この時だけは入って来た暗部の驚きの視線も甘んじて受けよう。

擦り寄る様にして寄り添い静かに寝息をたてているナルトを見守る俺の表情が甘かったと言う噂が流れたのは当然の事。

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