NARUTO「カカスレナル」novel3

□強盗事件
3ページ/12ページ

「けどさ〜、鷹と一緒にいると厄介事に巻き込まれるのは運命なのかなぁ、とね」

意地悪な笑い方に、ナルトは拗ねた子供のように口をへの字にした。
本来カカシは運命など信じていないし、よしんばあったとしても自分で切り開くタイプだ。自分ではない何か得体の知れないものに流されるなど、冗談ではない。けれど、こうまで悉くナルトとのデートを邪魔されては、少しばかり非現実的なものも信じそうになってしまう。
数々の障害を乗り越えて恋人の地位をつかみ取って数年余り。だが、無事何事もなくデート出来た回数が片手で足りるのは、お互い忙しい暗部という事情よりも、デートの度に遭遇する大小様々な事件や事故のせいだろう。
ナルトに言わせればカカシも負けず劣らずトラブルメーカーだそうだが、カカシ一人の時や他の忍と一緒の時はこんなことはないのだから、これはやはりナルトのせいなのだとカカシは思っていた。ナルトは不本意かもしれないが。

「俺のせいじゃない。俺が選んでトラブルを引き寄せてる訳じゃない」

「…まぁ仮にそうだとしてもさ、鷹の場合自分から飛び込んでくよね?」

先週の任務のあれとか先月の買い出しの時のあれとかさ。

「……」

含みを持たせ、かつトラブルに飛び込んだ具体例を挙げると、反論出来ないのが悔しいナルトはむぅと膨れっ面になった。ホールドアップなんて状態でなければカカシが抱きついてつついたりしていたかもしれない。もっとも、そんなことをすれば膨れっ面は修羅の形相へ早変わりして、術を頂戴することになるのだろうけれど。
それは勘弁、と小さく頭を振った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ