NARUTO「カカスレナル」novel
□仲間
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木の葉から数時間…さる大名の屋敷にナルト達は居た。
大名の屋敷は裏に崖があり、一歩間違えば崖下へ転落しかねない場所に建っていた。
「よう来てくれた。この子が『光成《ミツナリ》』と申す。今日1日よろしく頼むぞよ」
「「「「……………」」」」
そう言って紹介された子供はまだ、小さな男の子だった。
(綱手の奴、こんなに小さなガキだって聞いてねぇぞっ!)
(きゃ〜可愛い!)
(ガキ過ぎて何をしたらいいのか分からん…;;;)
(………綱手様、こんな小さな男の子だなんて聞いてませんよ;;;)
4人の考えは様々だった。
仕方なく布団に寝かされている子供を覗き込む4人。すると、視線を感じたのか、パチッと光成の瞳が開いた。
((((!?!?))))
「……ふぇっ、」
覗き込まれていたのに驚いたのか、だんだんと光成の目に涙が盛り上がってきた。
「「「「!?!?」」」」
「ふゃああああっ!」
「えっ!?や、やだ泣き出しちゃったわよっ!どうしようっサスケ君どうしたら良いの!?」
泣き出した光成に動揺したサクラはサスケに助けを求めた。
「えっ!?俺もこんなガキなんか相手した事ないから、分からんっカカシ!」
サスケも当然2歳くらいの子供を相手にした事が無く、カカシに助けを求めた。
「えっ!俺に振らないでよ;;;俺だって、どうしたら良いのか分かんないよ;;;」
3人が動揺し譲り合っている中…1人ナルトが光成に手を伸ばした。
「よ〜し、よし。泣かなくても大丈夫だってばよ。ここにはお前を苛める奴は居ないってば。だから泣くな」
優しく抱き上げ安心させる様に話し掛ける。
「………ふゃぁ」
トントンと優しく背中を叩き安心させる様にそのまま抱き上げている。
「光成は強くていい子だってば。だから泣くな」
しばらく抱き上げて背中を叩いていると光成が泣き止んだ。
「うにゅ〜にいちゃ、だぁれ?」
つたない言葉で誰だと聞いてくる。
「俺はナルトだってばよ。」
「ナゥ?」
「そう、ナルト。そこのお姉さんがサクラちゃん。黒髪の男がサスケ。背の高い男がカカシ先生って言うんだってばよ」
光成にゆっくり説明するように語り掛け優しく微笑む。
「しゃくりゃ?しゃしゅけ?かぁし?」
「そう。光成は頭が良いな。今日は俺達といっぱい遊ぶってばよ!」
ニッと笑って高い高いをするナルトに光成もキャッキャと笑う。
「以外……ナルトって子供の相手出来たのね」
「精神年齢が一緒なんだろ」
「……鼻血でそ…///」
3人を唖然とさせる程ナルトは子供と仲良くなっていく。
「ミチュはナゥしゅき!」
「ありがとってばよ!」
そんな時、襖の影に微かな人の気配を感じた。
『九尾と光成は仲良くなったか……予定が少し違うが、まぁよい』
そんな光景を影から盗み見る影をナルトは見逃さなかった。
「ミチュはおそといく」
「分かったってばよ!サクラちゃん、サスケ!一緒に行くってばっ!」
「そうね。天気も良いし、日向ぼっこしましょ」
「ふん」
【カカシ…】
【ん。分かってる】
視線でチラリと確認し、外へと出て行く。
大きな松の根元に3人で腰を下ろし、ポカポカと日向ぼっこを始めたのだが、穏やかな日差しに光成はいつの間にかナルトの腕の中で眠ってしまった。
「寝ちゃったみたいね」
「そうだってばね。寝顔…可愛いってばよ」
「まぁ、寝顔は可愛いかもしれないな」
スヤスヤと安心しきった表情で眠る光成に3人自然と笑みが漏れてくる。
そんな光景を屋敷の縁側から眺めていたカカシだったのだが、異様な気配に3人の側へと向かおうとした時だった。
「写輪眼のカカシは此処から動かないで頂きたい」
「………くっ!」
カカシの目の前に結構な人数の忍が現れ行く手を阻んだ。
その時ナルト達の元にも黒装束の忍達が現れた。
「そのガキをこちらに渡してもらおう…」
いつの間にか大勢の忍に3人は囲まれてしまっていた。
(ちっ!俺とした事が油断した!)
「な、なによっあんた達!?」
「………ぐっ」
サクラが叫んだと同時にサスケが吹っ飛ばされてしまった。
「さ、サスケ君!!」
「サスケ!」
慌ててサスケの側へと駆け寄ろうとしたのだが、数人の忍に阻まれてしまった。
「そのガキをよこせ」
「出来ない相談だってばよ!」
【くっ!カカシ!】
【ごめんっ!今取り込み中っ!】
カカシもまた、数人の忍を相手にし、ナルトの元へと行けずにいたのだ。
(くそっ!光成を抱いたままじゃ身動きがっ)
ジリジリと迫ってくる忍にだんだんと崖の方へと追いやられてしまう。
「サクラちゃん、俺が隙を作るから、光成を抱いて屋敷に走れってばよ」
そう言って光成をサクラに手渡した。
「ナ、ナルト!?」