レンアイユウギ

□憐愛友誼3〜今夜、月が見えないとして〜
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ホームに響く発車のベルを聞き、慌てて終電に乗り込んだ。

日付をまたいだ時間だというのに、車内は相変わらず込み合っている。
みんなどこで何をして来たんだろう?
別にいいんだけど。

かろうじてドアの前の位置を確保し、ぼーっと突っ立ってると、
流れる景色に自分の顔が亡霊みたいに浮かび上がる。




今日、柊吾に会って来た。
電撃結婚発表以来、ずっと会ってなかったから、約3ヵ月ぶりだ。

「久しぶり…」
言ってみたものの…だ。
あの場所に流れていた、微妙な時間。
これを何と表現したら良いか、私は電車に揺られながら、今も考えあぐねている。

心の拠り所を失った。
そんな風に思いたくもないし、柊吾と付き合ってた訳でもないんだし、一回寝ただけだし、なんて言い訳のようにブツブツ自分に言い聞かせてみるけど、実際私は果てもなく、じわじわ傷ついている。

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