レンアイユウギ

□特別考察〜私達が求める「月」とは?〜
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えーっ、あいつ結婚したのぉ?
と、ベトナム料理店の薄明かりの下で、女友達のちひろは、やたらめたら驚いていた。


ちひろとは高校時代に知り合ってから、10年来の仲だ。

高校を卒業して、仕事やら何やらで次々と友達がフェイドアウトしていくなか、
私と彼女は、事あるごとに連絡を取り合い、数々の悪さを共に行ってきた。


何を隠そう、私と柊吾が会ったきっかけも、彼女主催の飲み会だった訳で、
当然ちひろは、はじまりの瞬間を目撃している。



恋をする、とは、自分を思いきり美化した小説を書くこと。

そう豪語する彼女は、2年前に結婚し、今では一児のママである。




「で、小説執筆は順調ですか、美莉さん」

「んな訳ないでしょーが。想定外の出来事で、原稿が風に吹き飛んで大騒ぎよ。」

「そりゃ失礼。だよねー、私も想定外だったわ。しかも何、紹介?あいつ、結婚相手紹介してもらうようなタイプだったんだ」

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