SWEET NOVEL
□エゴの使い方D
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独りの時間というのは、じわじわと染みてくる。
例えば、朝目覚めた時に、妙に隙間の空いたベッド。
例えば、朝目覚めた時に、沈黙したままのコーヒーメーカー。
今まで当たり前のように機能し、朝の風景を彩っていたものが、京一の意志なしでは、動かなくなっていた。
「痛ってぇ―」
昨晩酔いの醒めるような事実を突き付けられながらも、しっかり二日酔いの頭を抱え、這うようにベッドから抜け出した。
沙恵のやつ、どこにいるんだ?
他の男のところ…?