SWEET NOVEL

□エゴの使い方@
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枕元の時計に目をやると、まだ朝の6時だった。

隣で規則正しく眠りについている沙恵を起こさないように、そっと上半身を起こし、煙草に火をつける。


―何気なく過ぎていく毎日の、記憶と意味を確かめるように―


篠原沙恵とは、付き合い始めてから5年が経つ。京一が、たまたま仕事帰りに立ち寄ったバーで、同じように、カウンターに座っていたのが沙恵だったのだ。

あの夜、殆ど成り行き任せと言っていいだろう。なんとなくベッドを共にし、なんとなく5年も続いている。

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