黒犬と黒姫


□黒犬と百合
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【シリウスside】



「エバンズ、ちょっといいか?」


最近、弥守がおかしい。
いや…、“おかしい”って言うか元気がない。
エバンズと話しててもどこかボーっとしてるし、昨日の魔法薬学の時なんか、珍しく失敗してスラグホーンに大丈夫かと心配される始末だ。
ここは不本意だが、エバンズに聞いてみるしかないな。
そう思って話しかけたのがついさっき。


「なに?なんの用?」


俺が話しかけたせいか、嫌そうに顔を歪めてこちらを睨んでる。


「用が無いならーー」


逃げられたらマズイ。さっさと本題に入ることにした。


「弥守の奴、変じゃないか?」


「……ブラック、あなたもしかして、あの子の事が好きなんじゃないでしょうね?」


弥守の事を聞こうとしただけでなんでそうなる!


「は?何でそんなことーー」


「だって、あなたが女の子の事を気にかけてる処なんて、今まで一度もなかったもの!」


鋭い。
確かに今まで、女の事なんか気にした事なんかない。
それは、今まで付き合った女も例外じゃない。
気にかけるどころか、今じゃ名前すらろくに覚えてない。
さすが、ジェームズが選んだだけはあるーーと、感心してる場合じゃなかった。


「俺の事はどうでもいいんだよ。
それで…、弥守の様子どうなんだよ?」




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